胸のざわめきがする。 胸焼けではない。これはきっと恋。私は初恋をした。

倉本|《くらもと》ルウくんに

ルウくんは、小学五年生の頃にアメリカから引っ越してきた外国人だ。今、私たちは六年生。ルウくんのことを好きになったのは、五年生のニ学期。

 ルウくんとはたまに話すが、ルウくんにとって私はクラスメートとしか思われていないだろう。ルウくんはいつも笑顔で見ているこっちまで笑顔になれる。
 ある日、
「今日は席替えをしまーす」
 先生がそう言う。ルウくんと席が隣になるかも。少し期待をしてしまう。このクラスの人数は四十人だから、隣になる確率は低い。私はルウくんと隣の席になりますようにと願ってくじをひく。

 私の番号は九番だ。廊下側の席の前から四番目。本当は窓側の席が良かったが一番前でないなら良い席だろう。そして、移動する。隣はどこだろうとドキドキする。隣はルウくんだった。めちゃくちゃ嬉しくて飛び跳ねたいくらいだった。私は窓側の席でなくて良かった。神様に感謝した。
「よろしく」
「うん」