涙の理由は知らなくていい

誰かが学校に行く意味を担任に聞いていたことがあった。

担任は社会に出た時に様々な考えを持つ人間と上手くやって行くための訓練だと答えた。俺は内心鼻で笑った。

馴染めない人間は結局いつまで経っても馴染めない。俺や清水みたいにあからさまにクラスに馴染むことができない人間は、どうにかして空気のようにその場をやり過ごそうとする。

そんな息苦しい空間にいることを、わざわざ訓練する必要があるのだろうか。

それとも、社会に馴染むことができないという烙印を早めに押すこと自体が目的なのだろうか。

そんな社会に放り出されるのなら、大人になんてなりたくない。けれど、子供のままでもいたくない。わがままだけどそう思ってしまうんだ。

そんなことを考えるうちに、現実に引き戻されたような気がして憂鬱な気分になった。

夏休みが終わらなければ良いのに、なんて子供じみた考えが頭を支配する。