「プリント、落ちてたよ」
「え、あ……さんきゅ」
想定しなかった奴から想定していなかったタイミングで呼ばれた俺は、どう反応すれば良いのかわからなかった。
まさかこいつが自分から他人に話しかけるなんて思ってもみなくて、そういう意味も含めて驚いた。
こいつの名前は……なんだっけ。
言いにくい名前だったのは覚えている。
おもむろに机の引き出しをあさり、入学時に配られたクラスの名簿を探し出す。出席番号は俺の一つ前。
そうそう。清水悠安だ。あだ名は”ジミズ”。
いつも窓側の一番後ろの席にいるジミズは、いつも泣いているちょっと、いや、大分変わった奴だ。
入学早々同じクラスになったジミズは、いつもひとりぼっちで大きめのリングノートに絵を描いていた。
あいつのせいで本来静まり返っているはずの授業時間は、いつも鼻を啜る音で汚れている。
だから入学早々陰で”ジミズ”というあだ名で呼ばれるようになっても、あいつの真似をする奴が出てきても、別に驚きはしなかった。
「え、あ……さんきゅ」
想定しなかった奴から想定していなかったタイミングで呼ばれた俺は、どう反応すれば良いのかわからなかった。
まさかこいつが自分から他人に話しかけるなんて思ってもみなくて、そういう意味も含めて驚いた。
こいつの名前は……なんだっけ。
言いにくい名前だったのは覚えている。
おもむろに机の引き出しをあさり、入学時に配られたクラスの名簿を探し出す。出席番号は俺の一つ前。
そうそう。清水悠安だ。あだ名は”ジミズ”。
いつも窓側の一番後ろの席にいるジミズは、いつも泣いているちょっと、いや、大分変わった奴だ。
入学早々同じクラスになったジミズは、いつもひとりぼっちで大きめのリングノートに絵を描いていた。
あいつのせいで本来静まり返っているはずの授業時間は、いつも鼻を啜る音で汚れている。
だから入学早々陰で”ジミズ”というあだ名で呼ばれるようになっても、あいつの真似をする奴が出てきても、別に驚きはしなかった。