あれから三年―――――。

 私、七香優笑は小説家になるための高校に言ったりして、夢を追って日々努力している。
 空君は、精神科医という職業に就くために別の高校で頑張っているみたいだ。
 なぜその職業に就きたいのか聞いてみたことがあった。
 その時広瀬君は、こう言ったのを鮮明に覚えている。
『俺な、いろんな理由があって苦しんだり学校に行けなかったりしてる人がいるって言うことを優笑と過ごしていく中で感じてきたんだ。
 だから、俺も優笑みたいにそういう子を救いたくなったんだ。
 でも、俺は”本が好き”とか”歌が好き”とかっていうことがなかった。
 それで、どうすればいいんだろうって思っていた時にこの職業を知ったんだ!
 これなら俺にもできるって思って今も頑張っているんだ!』
 そう、目を輝かせながら言っていた。
 素直にかっこよかった。
 広瀬君は、絶対に叶えるんだろうな・・・私はその時思わず成長した空君のことを考えてしまった―――――。
 そうして、お互い似ているような目標をもって夢を追いかけている。
 それに最近でも仲良くしてて、お互いの空いている日を見つけては良く遊んでる。

 あと、今でも私はたくさん空君に励ましてもらったり、勇気をもらっている。
 この間も・・・
「私、小説家には向いてないのかもしれない。」
 って、つい弱音を吐いてしまったときだった。
「優笑。
 これは、家族だったり緑ちゃんとのことみたいなあんな経験をした人にしかできないことだよ。
 だから、その経験を活かして優笑が頑張らないと何も変わらないよ。
 それに俺は優笑が小説家になれないなんて思ってない!
 優笑にはきっと才能がある!」
「じゃあ、才能があるならなんでうまくいかないの?」
「そりゃあ、才能がある人でも、誰にだって基本をしっかり学んで才能を発揮させるための準備の時期があるんだよ。
 だからきっと今の優笑はその準備の真っ最中なんじゃないかな?
 きっと、これを乗り越えればすごい小説家になれると思う。
 そしてその本でたくさんの人を救えると思うよ!
 だから、優笑は自信を持って!
 大丈夫だから!
 それに、俺はもう優笑のファン第一号だ!
 ”小説家の才能がないかもしれない。”とか言って、ファンの俺を悲しませないようにしてくれよ!」
 と言って私に頑張ろうって思わせてくれた。
 そんなこんなで、ここまで来たけどやっぱりあれからも人に嫌なことを言われたりした。
 でも、そんな時も
「今だけじゃなく、これからもまだ優笑のことを悪く言う人が出てくるかもしれない。
 だけど、本当に自分が正しいと思うことは周りの人の言葉とか気にせず、前を向いてやり切ってみな。
 だって、一人ひとり考えなんて違うんだから悪く言うのは当たり前だもん。
 だから、大丈夫だよ。
 これからも頑張れ。」
 と言ってくれたのだった。
 私にはそれが頭に残り続けずっと心を支えてくれている。
 

 本当に、君のどの言葉も私にとってはどれも一番の名言だ。
 その名言一つ一つにに私は何度救われただろう。
 きっと・・・ううん。絶対に何十回、何百回。下手したら何千回も救われているかもしれない。
 今までの君の言葉がどれか一つでも欠けていたら私がどうなっていたのか分からない。
 それほど大切だった。

 私も、君を助ける言葉を言ってあげたい。
 言っているつもりだけど・・・伝わっているか分からない。
 だって、伝えたい気持ちはたくさんあるのに正直に言えないから。
 

 でも、これだけはいつまでたっても胸を張って言える。






 ―――――「空君の言葉は誰に何と言われようがいつまでも私の中の”名言”だよ。」