次の日の放課後。
どうしてももう一度美術室を見たかった僕は、人が周りにいないことを確認して、少しずつ美術室の扉に近づいた
昨日よりじっくりと眺める。
絵だけでなく、彫刻や切り絵など目を引くものがたくさんある。
もっと近くで見てみたい。
その一心で他のことは何も考えていなかった。
もう少しだけ、もう少しだけ近付いてみよう。
と、その時「ドン」という一瞬だったけど、僕の手が美術室の扉に当たった音がした。
「しまった!」と思ったが、もう遅い。
中にいた光里先輩と目が合ってしまった。
逃げようかと思ったが、さすがに失礼になると思い謝ることにした。
あんなに優しい光里先輩なのだ。
きっと事情を話せば、そんなに重くは受け止めず、許してくれるだろう。
でも、自ら中に入って謝るという勇気は僕にはない。
扉の近くで俯き、どうしようかと考えていると、ドアがガラッと開いて中から光里先輩が出てきた。
僕は本当は、光里先輩が出てきてくれることを待っていた。
なんて自分に甘い人間なんだ。
光里先輩が少し戸惑いながら
「夢叶くんだっけ?こんにちは。
あの、、、やっぱり気になる?美術部。」
と声をかけてくれた。
僕は、
「え、あ、、、覗いててすみません。」
と慌てて答えにならないことを言った。
「いいよいいよ、全然。気にしないで。まぁちょっとびっくりしたけどね」
そうにこっと笑いながら言う光里にほっと安心した。
どうしてももう一度美術室を見たかった僕は、人が周りにいないことを確認して、少しずつ美術室の扉に近づいた
昨日よりじっくりと眺める。
絵だけでなく、彫刻や切り絵など目を引くものがたくさんある。
もっと近くで見てみたい。
その一心で他のことは何も考えていなかった。
もう少しだけ、もう少しだけ近付いてみよう。
と、その時「ドン」という一瞬だったけど、僕の手が美術室の扉に当たった音がした。
「しまった!」と思ったが、もう遅い。
中にいた光里先輩と目が合ってしまった。
逃げようかと思ったが、さすがに失礼になると思い謝ることにした。
あんなに優しい光里先輩なのだ。
きっと事情を話せば、そんなに重くは受け止めず、許してくれるだろう。
でも、自ら中に入って謝るという勇気は僕にはない。
扉の近くで俯き、どうしようかと考えていると、ドアがガラッと開いて中から光里先輩が出てきた。
僕は本当は、光里先輩が出てきてくれることを待っていた。
なんて自分に甘い人間なんだ。
光里先輩が少し戸惑いながら
「夢叶くんだっけ?こんにちは。
あの、、、やっぱり気になる?美術部。」
と声をかけてくれた。
僕は、
「え、あ、、、覗いててすみません。」
と慌てて答えにならないことを言った。
「いいよいいよ、全然。気にしないで。まぁちょっとびっくりしたけどね」
そうにこっと笑いながら言う光里にほっと安心した。