「でね、この漫画が面白くてー」
私は友達の杉本灯桜と一緒に歩く。漫画の話で盛り上がる。
友達と話すのってなんでこんなに楽しいんだろう。幸せだなあ。
交差点を渡る時、ふと私の視界が近くにあるカーブミラーを捉えた。
ふらふらと白いワゴン車が近づいているのだった。
「危ないっ!」
「え?」
ドンッと灯桜の背中を押す。
「え」という灯桜の声を聞いたのと、体に激痛が走ったのは同時だった。
ドサッと歩道に倒れ込む。
「か、和彩?救急車っ!」
―良かった、灯桜は無事だ。
「和彩!死なないで!」
―灯桜が無事ならそれで。
「君、ちょっと離れて」
救急隊員であろう人の声がかすかに聞こえた。
「早く病院運ばないと間に合わないかもしれない」
「行かないで。私を1人にしないでよ!」
ちらっと医師が腕時計を見る。
すうっと医師が息を吸う。
場の空気が固まった。
「午後五時二十五分。ご臨終です」
私は友達の杉本灯桜と一緒に歩く。漫画の話で盛り上がる。
友達と話すのってなんでこんなに楽しいんだろう。幸せだなあ。
交差点を渡る時、ふと私の視界が近くにあるカーブミラーを捉えた。
ふらふらと白いワゴン車が近づいているのだった。
「危ないっ!」
「え?」
ドンッと灯桜の背中を押す。
「え」という灯桜の声を聞いたのと、体に激痛が走ったのは同時だった。
ドサッと歩道に倒れ込む。
「か、和彩?救急車っ!」
―良かった、灯桜は無事だ。
「和彩!死なないで!」
―灯桜が無事ならそれで。
「君、ちょっと離れて」
救急隊員であろう人の声がかすかに聞こえた。
「早く病院運ばないと間に合わないかもしれない」
「行かないで。私を1人にしないでよ!」
ちらっと医師が腕時計を見る。
すうっと医師が息を吸う。
場の空気が固まった。
「午後五時二十五分。ご臨終です」