11人いた虐めの主犯格どもは残すところもう残り5人となっていた。
 偶然かどうかは知らんが残ってるのはどれも、俺に不名誉で屈辱的な呼称をつけて辱めたりパシリに行かせようとしたりデタラメな悪評をばら撒いて貶めたりしていた奴らだ。谷里や本山、前原のような暴力を振るったりはしていない。

 「お前らは...リンチの時には参加せず、ただ俺が痛めつけられてるのを観賞していただけやったな?俺が虐められてる様を指さして嗤って、撮影してばら撒いて...そんな最低行為だけをしていた連中だったよな?」

 腕を回して準備運動をしながら歩み寄る俺に、五人とも何か喚いて離れようとする。逃げ出そうとする連中の一人…清水を捕まえて、床に押し倒す。

 「なァ清水。何自分は悪くないわって言いたそうな面しとんじゃ、ごら。ここに連れてこられた時点で、お前も今まで殺した奴らと同じ罪人だってことが、まだ分かってねーんか、ああ?」
 「お、俺はそんなこと思ってへん......ち、ちゃんと反省してるっ!な、なァ俺らはもうええやろ?お前が言った通り俺らはお前に暴力は振るわなかった!あ、あいつら程の悪いことはしてへんはずやろ、そうやろ!?」
 
 床に這いつくばりながら清水は罪が軽いはずだと主張する。あるいはそれで死から逃げられるとでも思ってるのか。


 「ハァ......とりあえず俺が今もお前に対して抱いている憎しみをぶつけるか...。

 ―――何が鼻くそ野郎じゃ、鼻少しほじったくらいで何不名誉極まりない呼び名つけてんねん!!小西と一緒になって俺を貶めて辱めてクラス内、いや学年中の笑いものにして味方をなくしてくれたな!?お前の下らない悪意あるイジりが俺を不快にさせて傷つけて周りが一緒になって俺を侮蔑するようになって俺は散々な目に遭ってきたんやぞ!この虐め主犯野郎のクズがっっ!!」


 拳、蹴り、ナイフ、拳銃、槍、酸、攻撃魔術…俺が持てる全攻撃手段を用いて(死なないようちゃんと調整して)、激情に駆られるままに全てを振るって、清水の体と尊厳を壊していく。
 殴打の音と衝撃、刃物で肉を刺した音と感触、銃で撃った音と着弾音、酸をぶっかけた時に出る焼けるような音などを耳にして感触を実感する度に、俺の心は洗われていく。怒りの形相だったのがいつの間にか愉快な笑みを浮かべた顔になった気がした。

 「ああ”、ぎゃあああ......いだあ”あ”あ”っ!!お、い”止せ......うげえああああ!!た、すけ......べぎらげぇあ”あ”あ”あ”あ”...っ!!!」

 清水の苦痛の絶叫を心地よく聞きながら、憎しみを込めた暴力も振るい続ける。手足を素手で千切ってはくっつける。剣で斬り落としたりをも繰り返して、遊びまくる。

 そんな俺と清水とのやり取りを見ている五組の連中は止めてだの赦してやってだのと勝手ほざいてやがる。俺が虐げられてる時は揃って見て見ぬフリきめていたくせに、小西や清水が俺に虐げられてる時はそうやって俺を非難しやがる...どこまでこの世界は、俺に優しくしねーつもりなのかと、また沸々と怒りが湧いてくる。
 制止と助けを求める叫びを上げてる清水の顔面を殴って黙らせて脅すように話しかける。


 「あのな。先に殺した連中と同じ暴力をしたしなかったとか関係ねーから。お前は俺を辱めて貶めてさらし者にした。それは紛れもない事実で重罪や。
 だから死刑。下らない命乞いしたってもう無駄や」
 「うぇえあああ...!そんな......お前は、そんな理由で、簡単に俺らを殺す気なんか!?ホンマに殺す気でいるんか!?」
 「だからそう言ってんだろ?何か?そうやって説得して俺の気を変えようってか?無駄やから。今さら俺に情で訴えたところでどうこう出来へんよ?止めてほしいなら力づくで止めてみせろや、なァ」


 俺の血も涙もない発言に今度こそ絶望した清水は力無く倒れる。次いでうおおおおおと幼児みたいに泣いて喚いて慟哭する。

 「全部お前が招いたことやろが!!何も悪いことしてない奴を理不尽に辱めて貶めるから、そんな目に遭うんや!クソ野郎が、十二分に苦しんで死ねぇ!!」

 “苦しんで死ね”

 そして清水の体内に細胞を一つ一つ破壊するウイルスを発生させて、その体を雑に蹴り飛ばす。後はもうウイルスの侵食に任せて、勝手に死んどけば良い。

 ここからは同時進行でいこう。清水がウイルスに蝕まれて地獄を見てる間、別の奴への復讐をはじめよう!


 「次はーそうやな……よし、お前や」
 「ぐぅおっ!?嫌や、嫌やぁ!!死にたくない...っ!!」


 俺に捕まって情けなく悲鳴を上げる井村遼を、壁に叩きつけて黙らせる。

 「お前にも相当俺の学校生活...人生を汚してくれたよな?何がフランクフルトじゃクソがあああああ!!!」

 ドガバキゴスドスゴキメキィ!!!

 「ごえあ”、あ”あ”あ”あ”あ”あ”!!ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい!!!悪ふざけが過ぎましたごめんなさいごめんなさいごめんなさい!!!」
 「何や、お前も悪ふざけが過ぎた…が言い訳かぁ!?いい加減飽きたわその下らない言い訳はよぉおおおおおお!!!」

 怒りが強まってさらに苛烈に殴り蹴っていく。井村の骨は折れて、内臓が傷つき破裂もする。
 気が付けば刃物で腹を抉ってもいた。すぐに痛覚を麻痺させてショック死を防ぐ。

 「う”、わあ”あ”あ”あ”あ”!?!?」
 「あーあ、そんなに大声で喚くと...ほら言わんこっちゃない」

 痛覚麻痺してるせいで簡単に大声を出してしまいその刺激で井村が盛大に吐血する。治療して腹を元に戻す。そう簡単には死なせない。

 「感情的になり過ぎていつの間にか腹をかっさばいてたわ。危ない危ない、すぐに殺してまうとこやったわ」

 黒い笑みを浮かべてそう言う俺を、井村は心底怯え恐れた様子でなお逃げようとする。

 「どこへ行くつもりやァ!?お前が俺に散々犯してきた罪の落とし前をつけずにさァ!!」

 ガンッ 「おげァ...!!」

 後頭部を掴んで顔面を床に叩きつけてやる。鼻血を大量に流してキモい面の井村をこっちに向き合わせて、脅すように話しかける。

 「フランクフルト?それは俺の股間のことを悪意ある揶揄でそう表現してたよな?明らかな“悪意”を込めてよぉ。
 俺がそれが厭やって何度も何度も、何度も何度も何度も何度も何度も...!厭って言ったのに!お前は悪ふざけでずっと俺を辱め続けてきたんだよなァ!?」

 ジュウウウウウウウ!!両腕に濃硫酸をかける。

 「わ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”っ!?!?皮膚が溶ける、溶けてる!!いだい”、いだいぃぃい”い”い”い”!!!」
 「腕が溶かされたが何や!?俺は二年半もこんな物理的痛みよりも数段痛くて苦しい傷を負い続けてきたんやぞ?それらの合計の痛みときたら...俺は何回死んでたんやろな?これなんか全然大した苦痛じゃねーだろがよぉおおおお!!!」

 ジュウウウウウウウ!!ジュウウウウウウウ!!!両足も溶かしていく。

 「rfptふぉpvldsぢkvdsdkfそlkcvpk!!!」
 「ははははは!!この程度で発狂すんな!俺はまだまだスッとしてへんぞ!?」
 
 腹を何度も踏みつけて強引に正気に戻す。

 「ハァー!ハァー!.........もう止めてくれ...!あんな呼び名で馬鹿にしたことはもう反省してる......か、勘弁して――」
 「お前は俺の言葉聞いてへんかったんか?“絶対に赦さん”って言ったんやぞ?俺を散々虚仮にして辱めて笑いものにした罪をここで全て贖って、死ね」
 「そんな、そんな...!あんまり、やあ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”っ!!」
 
 心が折れたように泣き叫ぶ井村に構わず棘がついた鞭で背中を打ちまくる。

 「お前のせいで塾で恥かかされまくって、挙句は辞めさせられて!俺はそのせいでロクに良い高校に通えなくなったんや!!お前が俺に犯した罪はそれなりにデカいぞ!何せ俺の人生を狂わせたも同然やんやからなァ!!お前の下らない悪ふざけとやらで俺は最悪な学校生活を送る羽目になったんや!このクソッタレがァ!!!」

 「うぎゃあああああああああああああああああ...っ!!!」


 苛烈に打ち続けていると背骨が見えてきた。皮膚と筋肉が破れて骨まで達したようだ。剥き出しになった背骨を踏んづけてグリグリと痛めつける。井村の声にならない悲鳴を無視して続ける。

 「そもそもお前は何や!?お前は俺のイチモツを見たことなかったくせに、あそこのクソ青山に便乗して俺をあんな呼び名で貶し出したよな?一度も俺のを見たことないくせに、デカいかどうかも知らん、実物見たことないくせにお前は憶測で俺をずっと貶し続けてきたってわけや!!
 ふざけてんじゃねーぞ!!事実かどうか確認もしないでずっと貶して笑いものにしゃがって!!で無関係の奴らまで俺がそういう奴やと曲解しだして俺を嗤うようになった。お前のせいで俺は散々恥をかかされてきたんや!!
 お前のせいで!!お前のせいでえええええええええええええ!!!」

 バチィィイイイイイイイイイイイイイ!!!
 剥き出しになった背骨に、鞭を思い切りしならせて打ちつける!

 「~~~れしおdhおぇいyprすえ”!!!」
 「想像で!俺のことをまるで想像と同じように!!分かったように貶してんじゃねーぞゴミカス野郎がああああああああああああ!!!」

 憶測で人を貶すクズは死ぬべきゴミ野郎だ。マスゴミやそいつにほだされて真実をロクに知らないくせに同じように叩いて貶して嗤う大衆ども同じだ。
 井村はマスゴミ同然の最低クズ野郎や!!
 
 「は~~~!やっぱこうやって激情に駆られて痛めつけるのは最高やなァ!!ラストは毒で苦しんで死ね」

 “神経と骨と筋肉と皮膚を冒す猛毒で殺せ”


 「あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”...!!!か、体が、全身が焼ける、あ”あ”あ”あ”あ”あ”.........!!!」
 「あははははははは!!お前は毒に冒されてたくさん苦しんで、死ねェ!!!」