全てに憎悪し、何もかも殺して壊して滅ぼそうと決心したあの日から3日後――
 全てをぶち壊してぶっ潰す為の準備を終えた俺は、手始めに孤児院ごと村を潰してやった。


 「な、何をする!?ガキのお前を育てた恩を仇で返す気か――」
 「――孤児を引き取って飯を食わせて寝る場所を提供するなんて誰でもできることだろうが。勇者だと分かった途端、俺を都合の良いATMとしてしか見ていないお前らなんかに、恩もクソもあるかよ。俺を見てくれないなら、死ね」

 「ま、待て―――ぎゃああああああああああああああ!!!」

 俺を王国に売り出した全ての原因であった、孤児院の責任者を、院の人間ごと孤児院を魔術で焼き滅ぼした。
 情けなどかける価値など、こんなクソ異世界にはもう無いのだから。

 「いやあああああああ”あ”あ”!!」
 「あづいいいいいいいい”い”い”い”!!」
 「なんで!?どおしでえええええええええ!!?」

 どうして?知るか、こっちが聞きたいよ。こんなにも優しくしてくれない理由は何なのか。まぁ今となってはもうどうでもいいが。

 村を潰した。次は、俺を外見で馬鹿にして蔑んできて、実力を示して活躍が知れ渡った途端に手のひら返しの態度を取って媚びり出したり、挙句俺を利用しようとしたクソ冒険者どもだ。
 いや......あんな人格性格が腐ったゴミばかりの人間どもを冒険者として生かしているのを認めているギルド自体がダメだ。よし、ギルドごと全て破壊する!


 王国の近くに建っているギルドに入ると、特に俺のヘイトを溜めたゴミクズ冒険者どもが運良く全員いたので、有無を言わさずに処刑を始めた。わずか数秒でギルド内が凄惨な殺害現場と化した。

 「ゆ、勇者がこんなことして許されると思ってんのか!?この犯罪者ぁ!!」
 「“元”勇者だ...お前らが言ったことだろ?それに今さら何言ってんだよ、10才のガキだったあの頃からずっと俺を馬鹿にして時には暴力も振るってきた糞野郎が...。俺が何しに来たか、ケダモノ以下の知能しか無いお前でも分かるはずだぞ?
 今までの恨み全部晴らしにきた......ぶち殺すことでなぁ」

 「ひぃ!?わ、悪かった...!全部俺の悪ふざけだ!も、もう二度と馬鹿にしないから!カモにしようだなんて絶対にしないから!落ち着いて剣を引いて――
 「喋るな、たくさん苦しんでから死ね」――ぁぁぁあああああああ”あ”あ”あ”あ”ァ...!!!」

 いちばん俺を貶して乱暴もしてくれやがった中年のクズ冒険者をできるだけ苦しめてから殺した。急所を外しさえすれば人はそう容易に死にはしない。わざと致命傷負わせないように注意して、甚振ってから殺した。
 顔を不細工に歪ませて血と涙を流して赦しを乞うてくる様は、キモ過ぎて笑えなかった、むしろ怒りが増長されたから徹底的に甚振ってやった。

 連中の処刑の途中で他の冒険者どもが何度か襲い掛かってくるが無駄無駄。全員を動けなくしてやる。魔王軍の幹部ですら倒せなかったこいつらが束になってかかろうが、今の俺にとって虫けら同然だ。討伐隊の中でいちばん多くの修羅場をくぐってきた俺の成長は、それは凄まじかった。この世界でレベルが3桁に達した人間は、歴代含めて俺が三人目。残りの二人はもうこの世にいない。

 つまりこの異世界で俺に敵う奴は、誰もいない!


 「そーいうのを知っておきながら、俺にあんな態度ばかり取りやがって!挙句用済みの道具扱い!ほっっっっっんと、みんな馬鹿だよなぁ!?世界最強の俺をブチ切れさせちゃってさぁ!俺が聖人君子か何かと思ってたわけぇ!?俺は人形でもロボットでも無い!ちゃんと感情がついてる人間なんだよおおおおおおおおおおおおお!!!」

 「ひっひいぃ...!!助け...!!」
 「に、逃げ......あれ?何で、何で外に出られないんだ!?」

 はっはっはー逃がすわけないじゃん。扉の裏側と窓には雑魚程度の炎魔術でも解かせない氷を張っておいたから、完全にここは密室部屋でーす!誰も逃がしません、一人残さず処刑だクソども!!

 「ゆ、勇者様!無礼ばかりやらかして本当にすみませんでした!!金輪際あなたを侮辱することは致しません!!どうか...どうかご慈悲をぉ!!」
 土下座して無様に赦しを乞う筋肉質体型の男の頭を踏んづけて圧力をかける。

 「お前さぁ、今そうやって俺に謝ってるのは、俺がクソ強い人間だからだろ?俺があの時のまだ弱いガキだったら、そうやって真剣に謝ったりしないんだろどうせ!今俺が非力化したらまた乱暴して汚く罵って俺を利用しようとする。どうせ心の底から反省してなくて、ごめんなさいなんて毛程も思ってねーんだろ!?この嘘つき野郎!!」
 「アガッ!そ...そんなこと思ってません!ほ、本当に反省してます!こ、これからはどんな人に対しても罵ったり乱暴したりはしません!絶対に誓います!」

 「あー!あー!!聞こえない聞こえない!!嘘つきの言葉なんて聞こえませーん!惨たらしく死ね!!」
 「こ...この鬼畜があああああああ―」


 うるさいのでサクッと殺した。言うだけなら簡単だよな。心から言える奴なんて、いるわけないだろ。この異世界は尚更な!

 さて、残りのゴミもさっさと処分するか。


 「「「「「あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ...!!!」」」」」

 何十人もの冒険者やギルド運営者ども全員処刑して、最後は建物に火をつけて全て灰にしてやった。目映る人間全てが汚らわしい。目障りだ。跡形も無く消していく。

 冒険者どもを処刑した次は...いよいよ王国内に入る、貴族ども大臣ども、そして王族ども全員ぶち殺してやる...!

 ギルド内での惨劇は、魔術で防音と人払いをかけておいたので外にいる人間たちには誰も気付かれない。これから殺されるあいつらは、俺の存在に気付くことはない。全員が突然俺に惨たらしく殺されるんだ...!

 まず門番を焼き消して、門をくぐると同時に色んな魔術を滅茶苦茶に放って無差別に殺しまくった。
 突然の出来事に皆が悲鳴を上げてパニックを起こして逃げ惑う。唯一の出入り口である門にはバリアーを張っておき、またも逃げられないようにした。王国にいる人間全員は、俺に殺される為にいるんだ...!

 火・風・氷・岩・錬金物...あらゆる属性の魔術攻撃を駆使してみんなを消していく。一方的に蹂躙していくのは、実に心地良い気分だ。しばらく進むとようやくお目当ての殺すべき害虫ども......貴族の人間どもと遭遇した。

 「おい、元勇者!!これはどういうつもりだ!?街中で魔術を乱発するなど、気が狂ったかぁ!!」

 醜い体型のクソ貴族が数人、うるさい声で俺に怒鳴り散らしてくる。未だに自分が偉くて、俺より位が上の人間だと思い込んでいるらしい。権力だけ見れば確かにそうだけどな...

 「俺は何で、こんな汚い豚どもの平穏までをも守ってしまったのか......俺をただの道具としか見ていないこんな奴らなんか、俺にとって何の価値も無いただのゴミ豚だと言うのに...!!」

 そして――


 「「「ひぎゃあああああああああああ!!?」」」


 再び殺戮を行い、死体の山を築き上げていく。醜い面で泣いていようが、権威を主張してこようが、金をちらつかせて命乞いをしてこようが、関係無い。
 全員ぶっ殺してやった!

 そしてそのまま、俺をいちばん見下して俺を最も失望させて殺意を抱かせてくれた奴らがたくさんいるところへ入っていく...。