週が明けて、また新しい日々が始まる。今日から、わたしは転校先の中学校へ初登校をする。一度、先生達には挨拶をしに行ってはいるけれど、それ以上に緊張をしている。以前の制服は紺色のブレザーに緑と赤のチェック柄のプリーツスカート、そして赤いリボンだったけれど、今回はボレロに水色の紐タイへと変わっていて、当たり前のことなのに、新鮮さがあって、ウキウキがとまらなかった。六月ということもあり、夏用の制服へと袖を通した。いつものように髪を二つ結びにして、リビングへと向かった。もうすでに朝食が用意されていて、おいしそうな匂いが食欲を襲う。お腹からぐぅと音を鳴らした。わたしは笑みを浮かべながら、椅子に座った。二人揃って「いただきます」と手を合わせて言い、箸を進めた。両親と暮らしているときはパンに目玉焼きやウィンナーなどの洋食がメインだったけれど、焼き魚や漬物などの和食が朝食で出て来るのが、とても新鮮だ。楓ちゃんの家に来てから感動してばかりいる。わたしは無心にごはんを食べ進めていた。その様子を見て、楓ちゃんは微笑ましそうに笑った。
「ハルは本当においしそうに食べるねぇ」
「楓ちゃんの料理がおいしいからだよ。普段はもっとゆっくりなんだから」
「うん知ってるよ。でもうれしいな。あたしの料理のことをおいしいって言ってくれるだなんて。お母さんが聞いたら泣いちゃうかもね」
「ちょっ、もう、楓ちゃんはそうやっていじわるなことを言う」
「ごめんごめん。そういえば今日、駿人迎えに来るんでしょ」
「う、うん。そのはずだけれど…」
「初々しいわねぇ」
「わたしと駿人くんはそんな関係じゃないんだから。わ、わたし達は、えっと…、その…ただの友達。それ以上はないんだから」
「遠まわしに振ってるよね。それ」
楓ちゃんのいたずらげに放った言葉に、わたしは口を噤んでしまった。何も言い返せる言葉を見つけることが出来なかった。確かにさっきの言い回しだと、確かに彼とは付き合えないと言っているのと同じだ。失礼なことを言ってしまったのだと反省をした。もし彼がわたしと付き合ってほしいと言われたとき、彼と付き合いたいと思えたとき、わたしはどうするべきなのだろうか。今のわたしにその答えを見つけることが出来そうにはない。わたしはうつむき、箸を置いた。自分の愚かさに気づかされ、胸が苦しくなる。
「ごめん、ハル。いじわるなことをしたね。あなたにそんな顔をさせちゃうなんて。あたしの悪いところだな。本当にごめんね」
「ううん、大丈夫だよ。楓ちゃんは悪くない。多分、お互い悪くないよ」
「そうだね。だけど、ハル。もしあなたに好きな人が出来たら、あたしはハルの味方だからね」
「うん。楓ちゃんありがとう。ごはん食べちゃお」
わたし達は笑みを浮かべ合い、ごはんを食べ進めた。以前から、仲がいい関係ではあるけれど、まだまだ同居人としては未完成な二人だ。これから少しずつ関係を築いていけばいいのだ。わたしは彼女と共にごはんを食べる幸せを噛みしめた。
朝食を食べ終えると、わたしはカバンを持って、玄関で彼を待っていた。こうして待ち合わせして登校するなんて、本当に久しぶりだ。それも男の子と一緒に登校をする。初めてのことで、とても緊張してしまう。今にでも心臓は飛び出て来そうなぐらいにドキドキと踊っている。しばらく待っていると「おーい」と遠くから叫ぶ声がした。顔を上げると、彼が走って向かってきているのが見えた。まるで小学生ぐらい子どもを見ているようで、とても微笑ましい。ついクスクスと笑ってしまう。きっと心がすごくキレイな人なんだろう。わたしも彼のように誰かにやさしく出来るようになりたい。
「ごめん、待たせたね」
「いえ、そんなに待ってないですよ」
「そっか、よかった。じゃあ行こうか」
「はい」
わたし達は歩幅を無自覚ながらも合わせて、登校を始めた。
「ハルは本当においしそうに食べるねぇ」
「楓ちゃんの料理がおいしいからだよ。普段はもっとゆっくりなんだから」
「うん知ってるよ。でもうれしいな。あたしの料理のことをおいしいって言ってくれるだなんて。お母さんが聞いたら泣いちゃうかもね」
「ちょっ、もう、楓ちゃんはそうやっていじわるなことを言う」
「ごめんごめん。そういえば今日、駿人迎えに来るんでしょ」
「う、うん。そのはずだけれど…」
「初々しいわねぇ」
「わたしと駿人くんはそんな関係じゃないんだから。わ、わたし達は、えっと…、その…ただの友達。それ以上はないんだから」
「遠まわしに振ってるよね。それ」
楓ちゃんのいたずらげに放った言葉に、わたしは口を噤んでしまった。何も言い返せる言葉を見つけることが出来なかった。確かにさっきの言い回しだと、確かに彼とは付き合えないと言っているのと同じだ。失礼なことを言ってしまったのだと反省をした。もし彼がわたしと付き合ってほしいと言われたとき、彼と付き合いたいと思えたとき、わたしはどうするべきなのだろうか。今のわたしにその答えを見つけることが出来そうにはない。わたしはうつむき、箸を置いた。自分の愚かさに気づかされ、胸が苦しくなる。
「ごめん、ハル。いじわるなことをしたね。あなたにそんな顔をさせちゃうなんて。あたしの悪いところだな。本当にごめんね」
「ううん、大丈夫だよ。楓ちゃんは悪くない。多分、お互い悪くないよ」
「そうだね。だけど、ハル。もしあなたに好きな人が出来たら、あたしはハルの味方だからね」
「うん。楓ちゃんありがとう。ごはん食べちゃお」
わたし達は笑みを浮かべ合い、ごはんを食べ進めた。以前から、仲がいい関係ではあるけれど、まだまだ同居人としては未完成な二人だ。これから少しずつ関係を築いていけばいいのだ。わたしは彼女と共にごはんを食べる幸せを噛みしめた。
朝食を食べ終えると、わたしはカバンを持って、玄関で彼を待っていた。こうして待ち合わせして登校するなんて、本当に久しぶりだ。それも男の子と一緒に登校をする。初めてのことで、とても緊張してしまう。今にでも心臓は飛び出て来そうなぐらいにドキドキと踊っている。しばらく待っていると「おーい」と遠くから叫ぶ声がした。顔を上げると、彼が走って向かってきているのが見えた。まるで小学生ぐらい子どもを見ているようで、とても微笑ましい。ついクスクスと笑ってしまう。きっと心がすごくキレイな人なんだろう。わたしも彼のように誰かにやさしく出来るようになりたい。
「ごめん、待たせたね」
「いえ、そんなに待ってないですよ」
「そっか、よかった。じゃあ行こうか」
「はい」
わたし達は歩幅を無自覚ながらも合わせて、登校を始めた。