*
夕暮れの田舎道。夕日はわたし達を巻き込んで、風景をオレンジ色に染めていた。もうすぐ夜になってしまうと思うと、やっぱりさびしくなってしまう。駿人くんと恋人になれて、心の底からうれしい。初めて好きななった男の子。今までの男の子のイメージを打ち消してくれるぐらいやさしくて暖かい人。本当にわたしと付き合ってくていいのかと心配になるけれど、きっと大丈夫だろう。駿人くんはわたしが挫けそうになったとき、いつだって支えてくれていた。わたしが以前の中学校でいじめられていたことを知っていながらも、敢えて触れないでくれていた。本当にやさしくて、わたしにはもったいないぐらいだ。わたしも彼のことを支えられるようになりたい。少しずつでいい。焦らず自分なりのペースで強くなって行けばいい。
「ねぇ、ハルちゃん」
「は、はい。な、なんでしょうか」
「そんなに硬くならなくていいよ」
「す、すみません」
「別に謝らなくていいって。それとさ、今度の休み、二人で出かけに行かない」
「いいですね。どこに行きましょうか?」
「そうだな。ハルちゃんはどこに行きたいかとかリクエストってあったりする?」
「そうですねぇ。甘いモノがたくさん食べられるとこに行きたいです」
わたしのリクエストにイヤな顔をすることなく、駿人くんはやさしい笑顔で「了解」と言ってくれた。
駿人くんは、本当にすごい人だと思う。彼はいつだってわたしの味方でいてくれている。それは簡単なことではないはずなのに、わたしに寄り添って味方でいてくれようとしれくれている。彼のようには出来ないかもしないけれど、わたしのように独りぼっちになってしまっている子達に手を差し伸べられるようになりたい。そのとき、一つの職業が頭に過ぎった。
――わたし、学校の先生になりたい。
そしたら駿人くんのように手を差し伸べられるんじゃないだろうか。
「しゅ、駿人くん!」
「ん? なんだい?」
「えっと、そのわたし、学校の先生を目指してみようかと思います。わたしみたいに独りぼっちになってしまっている子達を支
えられるようになりたいんです。もちろん自分の絵も続けていきたいと思っています」
「うん。ハルちゃんらしくていいと思うよ。僕も、本気で写真の勉強をしようと考えているんだ。世界中のキラキラしたところを、たくさんの人に観てもらいたいんだ」
「ステキだと思います。わたし、駿人くんのおかげでたくさんのキラキラに出会えました。だからわたし、駿人くんの夢を全力
で応援します」
「ハルちゃんがキラキラに出会えたのは、僕のおかげじゃないよ。ハルちゃんが変わりたいって努力をした結果だよ。その姿を見てきたから、僕はハルちゃんのことを好きになったんだ」
駿人くんのやさしくて暖かくまっすぐな言葉に、わたしは顔を赤くしてうつむいてしまった。やさしくて暖かいところを、わたしは好きになったんだ。
これから大変なことや辛いことなんて、たくさんあるだろう。だからこそ手を指し伸ばしてくれる人がいるということを忘れてしまうのかもしれない。そんなときは一度立ちどまって、周りを見渡すことが大切なのかもしれない。やまない雨があるように、抜け出すことが出来る暗闇がある。わたしは信じている。晴れたときにかかる虹がみんなのみちしるべになることを。わたしは駿人くんの手を握り、照れつつも満面の笑顔を浮かべた。これからもわたしはこの人と一緒に歩いて行きたい。
「しゅ、駿人くん、え、えっと、その…、こ、これからもよろしくお願いします」
「うん。こちらこそよろしくお願いします」
二人顔を合わせて笑い合った。わたし達は手を繋いだまま、夕焼けに染まる道を歩き続けて行く。
夕暮れの田舎道。夕日はわたし達を巻き込んで、風景をオレンジ色に染めていた。もうすぐ夜になってしまうと思うと、やっぱりさびしくなってしまう。駿人くんと恋人になれて、心の底からうれしい。初めて好きななった男の子。今までの男の子のイメージを打ち消してくれるぐらいやさしくて暖かい人。本当にわたしと付き合ってくていいのかと心配になるけれど、きっと大丈夫だろう。駿人くんはわたしが挫けそうになったとき、いつだって支えてくれていた。わたしが以前の中学校でいじめられていたことを知っていながらも、敢えて触れないでくれていた。本当にやさしくて、わたしにはもったいないぐらいだ。わたしも彼のことを支えられるようになりたい。少しずつでいい。焦らず自分なりのペースで強くなって行けばいい。
「ねぇ、ハルちゃん」
「は、はい。な、なんでしょうか」
「そんなに硬くならなくていいよ」
「す、すみません」
「別に謝らなくていいって。それとさ、今度の休み、二人で出かけに行かない」
「いいですね。どこに行きましょうか?」
「そうだな。ハルちゃんはどこに行きたいかとかリクエストってあったりする?」
「そうですねぇ。甘いモノがたくさん食べられるとこに行きたいです」
わたしのリクエストにイヤな顔をすることなく、駿人くんはやさしい笑顔で「了解」と言ってくれた。
駿人くんは、本当にすごい人だと思う。彼はいつだってわたしの味方でいてくれている。それは簡単なことではないはずなのに、わたしに寄り添って味方でいてくれようとしれくれている。彼のようには出来ないかもしないけれど、わたしのように独りぼっちになってしまっている子達に手を差し伸べられるようになりたい。そのとき、一つの職業が頭に過ぎった。
――わたし、学校の先生になりたい。
そしたら駿人くんのように手を差し伸べられるんじゃないだろうか。
「しゅ、駿人くん!」
「ん? なんだい?」
「えっと、そのわたし、学校の先生を目指してみようかと思います。わたしみたいに独りぼっちになってしまっている子達を支
えられるようになりたいんです。もちろん自分の絵も続けていきたいと思っています」
「うん。ハルちゃんらしくていいと思うよ。僕も、本気で写真の勉強をしようと考えているんだ。世界中のキラキラしたところを、たくさんの人に観てもらいたいんだ」
「ステキだと思います。わたし、駿人くんのおかげでたくさんのキラキラに出会えました。だからわたし、駿人くんの夢を全力
で応援します」
「ハルちゃんがキラキラに出会えたのは、僕のおかげじゃないよ。ハルちゃんが変わりたいって努力をした結果だよ。その姿を見てきたから、僕はハルちゃんのことを好きになったんだ」
駿人くんのやさしくて暖かくまっすぐな言葉に、わたしは顔を赤くしてうつむいてしまった。やさしくて暖かいところを、わたしは好きになったんだ。
これから大変なことや辛いことなんて、たくさんあるだろう。だからこそ手を指し伸ばしてくれる人がいるということを忘れてしまうのかもしれない。そんなときは一度立ちどまって、周りを見渡すことが大切なのかもしれない。やまない雨があるように、抜け出すことが出来る暗闇がある。わたしは信じている。晴れたときにかかる虹がみんなのみちしるべになることを。わたしは駿人くんの手を握り、照れつつも満面の笑顔を浮かべた。これからもわたしはこの人と一緒に歩いて行きたい。
「しゅ、駿人くん、え、えっと、その…、こ、これからもよろしくお願いします」
「うん。こちらこそよろしくお願いします」
二人顔を合わせて笑い合った。わたし達は手を繋いだまま、夕焼けに染まる道を歩き続けて行く。