*ひなた視点
すみれ堂での集いを閉じ、うちらはハル達と手を振って別れた。ハルは、本当に笑うようになった。初めて会ったときは、本当に怯えていて。触れただけでも壊れてしまいそうな女の子だった。だけど、ここで一人にしていたら、本当に消えてしまうと思い、勇気を出して声をかけた。彼女は羨ましいと思うぐらいに純粋でやさしい女の子だった。うちが試合で落ち込んだときは、そっと寄り添ってくれて一生懸命に励まそうとしてくれた。夏休みが明けて、ハルはすっきりとした表情で学校に登校して来た。夏休み中に、何かがあったのだろうと察した。彼女に尋ねてみる、彼女は自分の過去の話しをしてくれた。以前の中学校でイジメを受けていたこと。親友だった子に裏切られてしまったこと。その親友だった子とは仲直りすることが出来たこと。そしてボンのことに恋をしたと恥ずかしながらも報告をしてくれた。うちはそれがすごくうれしかった。ハルは自分のことを話すことはしなかった。することを恐がっているようであった。だからこそハルのことを知れて、より距離を縮められた気がした。
「俺達もそろそろ帰るか」
「そうだね」
うちらは顔を見合わせて、笑い合った。
「ねぇ、竜。あんたはさ、ハルのこと好きだなって思ったことある?」
「そうだな。友人としてはあるが、恋愛としてはないな。俺はずっとお前一筋だし。まぁ、確かにかわいいなとは思ったことはあるけれどな」
「その言いかた、なんかムカつくな。だけど、確かにハルはかわいいよね。純粋でさ」
「小動物みたいに震えたりしてな」
「確かに」
うちらの笑い声が重なり合う。
ハルがいなかったら、うちらは未だに幼なじみのままだったかもしれない。竜は小さいころから人間関係に不器用で、顔つきから女の子から恐がれることがあった。不器用ながらも手を指し伸ばすやさしさがあった。うちは竜のそういうところに惹かれたのかもしれない。
ハル達が展示会に行った日の部活帰りのとき、うちは二人で帰路に就いていた。竜は突然立ち止まった。うちが『どうしたの?』と尋ねると、竜は真剣な表情且赤くした顔で『ずっと前から好きだった』と告白をされた。きっとハルやボンを見て来て、竜自身も決心をしたのかもしれない。うちは竜の肩を二発ほど叩き、赤くした顔を彼に向けて、彼への答えを口にした。
『ウチもあんたのことが好きだよ』
竜は驚いた表情をしたが、みるみると表情が緩ませ『よっしゃー!』と喜んでいた。
どうしてこうも男子というモノは、こんなにもガキなんだろうか。そこも愛らしいところではあるけれど。
「あのさ、いつかダブルデートとかしようよ」
「そうだな」
うちらは歩きながら近い将来の未来設計図を組み立てて行った。これからもみんなと一緒に楽しいことで笑い合えることを願って行く。
すみれ堂での集いを閉じ、うちらはハル達と手を振って別れた。ハルは、本当に笑うようになった。初めて会ったときは、本当に怯えていて。触れただけでも壊れてしまいそうな女の子だった。だけど、ここで一人にしていたら、本当に消えてしまうと思い、勇気を出して声をかけた。彼女は羨ましいと思うぐらいに純粋でやさしい女の子だった。うちが試合で落ち込んだときは、そっと寄り添ってくれて一生懸命に励まそうとしてくれた。夏休みが明けて、ハルはすっきりとした表情で学校に登校して来た。夏休み中に、何かがあったのだろうと察した。彼女に尋ねてみる、彼女は自分の過去の話しをしてくれた。以前の中学校でイジメを受けていたこと。親友だった子に裏切られてしまったこと。その親友だった子とは仲直りすることが出来たこと。そしてボンのことに恋をしたと恥ずかしながらも報告をしてくれた。うちはそれがすごくうれしかった。ハルは自分のことを話すことはしなかった。することを恐がっているようであった。だからこそハルのことを知れて、より距離を縮められた気がした。
「俺達もそろそろ帰るか」
「そうだね」
うちらは顔を見合わせて、笑い合った。
「ねぇ、竜。あんたはさ、ハルのこと好きだなって思ったことある?」
「そうだな。友人としてはあるが、恋愛としてはないな。俺はずっとお前一筋だし。まぁ、確かにかわいいなとは思ったことはあるけれどな」
「その言いかた、なんかムカつくな。だけど、確かにハルはかわいいよね。純粋でさ」
「小動物みたいに震えたりしてな」
「確かに」
うちらの笑い声が重なり合う。
ハルがいなかったら、うちらは未だに幼なじみのままだったかもしれない。竜は小さいころから人間関係に不器用で、顔つきから女の子から恐がれることがあった。不器用ながらも手を指し伸ばすやさしさがあった。うちは竜のそういうところに惹かれたのかもしれない。
ハル達が展示会に行った日の部活帰りのとき、うちは二人で帰路に就いていた。竜は突然立ち止まった。うちが『どうしたの?』と尋ねると、竜は真剣な表情且赤くした顔で『ずっと前から好きだった』と告白をされた。きっとハルやボンを見て来て、竜自身も決心をしたのかもしれない。うちは竜の肩を二発ほど叩き、赤くした顔を彼に向けて、彼への答えを口にした。
『ウチもあんたのことが好きだよ』
竜は驚いた表情をしたが、みるみると表情が緩ませ『よっしゃー!』と喜んでいた。
どうしてこうも男子というモノは、こんなにもガキなんだろうか。そこも愛らしいところではあるけれど。
「あのさ、いつかダブルデートとかしようよ」
「そうだな」
うちらは歩きながら近い将来の未来設計図を組み立てて行った。これからもみんなと一緒に楽しいことで笑い合えることを願って行く。