「まるで契約結婚するみたいですね」
「見合い結婚は契約結婚みたいなものだ。いろんな条件が折り合ってはじめて成立する。好き嫌いは条件のひとつに過ぎないんじゃないかな」
「好き嫌いは一番大事な条件だと思いますが」
「でも前提があってのことだろう。例えば収入とか学歴とか容姿とか性格とか、それが折り合って初めて好き嫌いの条件が入ってくる」
「それは普通のお付き合いから恋愛に入って結婚する場合でも言えることだと思います。いろんな条件をいつも当てはめてみて、お付き合いするか、結婚するか、決めているんじゃないですか?」
「一目ぼれもあるだろう。ほかの条件のことなんか考えないで一目で好きになる」
「でもその場合でも、すでに無意識で条件をクリヤーしているのではないですか? それに一目ぼれでも、お付き合いしている間にいろいろな条件に合わなければ別れてしまうと思います」
「恋愛結婚も見合い結婚も同じだといいたいの?」
「条件に合うか合わないかを判断する時期が好きになる前か後か違うだけではないかと思います」
「だから見合い結婚は契約結婚に近くていいんだと思う。あとから好きになればいいだけのことだから。終わり良ければすべて良し」
「確かにそうかもしれません」
「部屋割だけど、新しい住まいは2LDKにしたい。リビング・ダイニングは共有スペースとして、部屋はおそらく6~8畳と4畳半~6畳くらいの洋室になると思うけど」
「大きい部屋を主のあなたが使って下さい。私は寄生虫だから小さい部屋でかまいません」
「大きい部屋を使ってくれた方が良い。クローゼットも大きい。衣服がたくさん入る」
「小さい方でいいです」
「いや、大きい部屋を使ってほしい。僕の希望だ。君を大切にしたいし、広い部屋でゆっくりしてほしい」
「ご自分は狭くていいんですか」
「僕は狭い方が落ち着く。是非そうしてほしい」
「じゃあ、ご厚意を受けます」
「それから、自分のことを寄生虫と卑下することはやめてほしい。もしそう思っているのならペットといった方がよいかもしれないね。僕の大切な可愛いペットの子猫ちゃんだ。ペットがご主人になつくかどうかはご主人の愛情次第だからね」
「ペットですか?」
「心を癒してくれるペット。ペットを飼うのはお金と手数がかかるけど皆飼っているのは可愛くて癒されたいからだと思う」
「癒すなんて、そんな自信はありません」
「一緒に住んで暮らしてくれればそれだけでいい。ペットだってそうだろう。ペットはご主人を癒そうなんて考えていない。ただ、ご主人が好きで、かまってもらいたくて、ゴロニャンと鳴いて甘えているだけだと思う」
「気づかいはできると思いますが、ゴロニャンと鳴いて甘えることはできないと思います」
「ゴロニャンは例えだから笑顔でいい」
「笑顔ならなんとかなると思います」
「それで十分だ」
私のことをお金と手数がかかるペットだといった。ただ、悪気は全く感じられなかった。寄生虫と言ったから気を使って言い直してくれたのだと思う。
それを可愛いという誉め言葉ととるか、私を見下した侮辱の言葉ととるかは、私の気持ちの持ちようだ。まあ、ペットと思って可愛がって大切にしてほしい。その方が気楽だ。
「見合い結婚は契約結婚みたいなものだ。いろんな条件が折り合ってはじめて成立する。好き嫌いは条件のひとつに過ぎないんじゃないかな」
「好き嫌いは一番大事な条件だと思いますが」
「でも前提があってのことだろう。例えば収入とか学歴とか容姿とか性格とか、それが折り合って初めて好き嫌いの条件が入ってくる」
「それは普通のお付き合いから恋愛に入って結婚する場合でも言えることだと思います。いろんな条件をいつも当てはめてみて、お付き合いするか、結婚するか、決めているんじゃないですか?」
「一目ぼれもあるだろう。ほかの条件のことなんか考えないで一目で好きになる」
「でもその場合でも、すでに無意識で条件をクリヤーしているのではないですか? それに一目ぼれでも、お付き合いしている間にいろいろな条件に合わなければ別れてしまうと思います」
「恋愛結婚も見合い結婚も同じだといいたいの?」
「条件に合うか合わないかを判断する時期が好きになる前か後か違うだけではないかと思います」
「だから見合い結婚は契約結婚に近くていいんだと思う。あとから好きになればいいだけのことだから。終わり良ければすべて良し」
「確かにそうかもしれません」
「部屋割だけど、新しい住まいは2LDKにしたい。リビング・ダイニングは共有スペースとして、部屋はおそらく6~8畳と4畳半~6畳くらいの洋室になると思うけど」
「大きい部屋を主のあなたが使って下さい。私は寄生虫だから小さい部屋でかまいません」
「大きい部屋を使ってくれた方が良い。クローゼットも大きい。衣服がたくさん入る」
「小さい方でいいです」
「いや、大きい部屋を使ってほしい。僕の希望だ。君を大切にしたいし、広い部屋でゆっくりしてほしい」
「ご自分は狭くていいんですか」
「僕は狭い方が落ち着く。是非そうしてほしい」
「じゃあ、ご厚意を受けます」
「それから、自分のことを寄生虫と卑下することはやめてほしい。もしそう思っているのならペットといった方がよいかもしれないね。僕の大切な可愛いペットの子猫ちゃんだ。ペットがご主人になつくかどうかはご主人の愛情次第だからね」
「ペットですか?」
「心を癒してくれるペット。ペットを飼うのはお金と手数がかかるけど皆飼っているのは可愛くて癒されたいからだと思う」
「癒すなんて、そんな自信はありません」
「一緒に住んで暮らしてくれればそれだけでいい。ペットだってそうだろう。ペットはご主人を癒そうなんて考えていない。ただ、ご主人が好きで、かまってもらいたくて、ゴロニャンと鳴いて甘えているだけだと思う」
「気づかいはできると思いますが、ゴロニャンと鳴いて甘えることはできないと思います」
「ゴロニャンは例えだから笑顔でいい」
「笑顔ならなんとかなると思います」
「それで十分だ」
私のことをお金と手数がかかるペットだといった。ただ、悪気は全く感じられなかった。寄生虫と言ったから気を使って言い直してくれたのだと思う。
それを可愛いという誉め言葉ととるか、私を見下した侮辱の言葉ととるかは、私の気持ちの持ちようだ。まあ、ペットと思って可愛がって大切にしてほしい。その方が気楽だ。