(12月第3水曜日)
亮さんは「今日は同期と飲むから夕食はパスします」といって出勤した。もう風俗にいったりしないことは分かっている。
10時少し前に帰ってきた。すぐに玄関まで迎えにいった。私の顔を見ると嬉しそうに笑ってくれた。
「おかえりなさい」
「ただいま。少し疲れた」
亮さんの口から「疲れた」と言うのを聞いたのは初めてだった。確かにとても憔悴して疲れているように見える。あの笑顔は私を見て本当に嬉しかったのだと思う。
「お風呂、大丈夫ですか?」
「大丈夫だ。心配してくれてありがとう。一息ついたらすぐに入るから、もう休んで」
いつものように私を気遣ってくれる。ありがたいけど亮さんのことが心配になる。ソファーに坐ったのでお茶を入れてあげる。
亮さんは一休みしてからバスルームへ入った。私はソファーで上がるのを待っている。でもお風呂の亮さんのことが気にかかる。
「お背中流しましょうか?」
浴室の外から聞いてみる。少し間があった。
「悪いけど流してくれる?」
それを聞いて私はパジャマを脱いで裸になった。そして浴室へ入った。亮さんは頭を洗っていた。
顔をあげて私が裸になっているのに驚いたみたい。私はもう亮さんに裸を見られるのは慣れた。浴室は明るくて恥ずかしいけど、それよりも背中を流してあげたかった。
タオルに石鹸をつけて、背中を洗いはじめると、亮さんは気持ちよさそうだ。よかった、喜んでもらえて。
今まで亮さんにしてもらうばかりで私は何もしてあげられなくて申し訳ない気持ちでいっぱいだった。でもこんなことならいくらでもしてあげられる。これで喜んでもらえるなら。
「一緒に浸かってくれる?」
「はい」
一緒にバスタブに浸かる。亮さんの前に私を招き入れる。お湯が勢いよく溢れる。そして後ろから軽く抱くように手を廻してくる。
うなじにキスされた。私は髪をアップにして留めている。思わず首をすくめたけどいやだからではなかった。くすぐったい。お礼のキス?
「ありがとう、洗ってもらっていい気持ちだった。疲れがとれる」
「喜んでもらえて嬉しいです」
「上がろう」
浴室を出ると私はバスタオルで背中を拭いてあげる。亮さんもお返しに拭いてくれる。拭き終わると「ありがとう」といって、私に軽くキスした。亮さんはとっても嬉しそうだった。よかった。
「頼みごとがあるけど聞いてくれる」
「何ですか?」
「今夜は理奈さんの布団に入れてもらえないかな?」
「良いですよ、喜んで」
「理奈さんを抱きたいとかいうよりも、一緒にいたい、いてほしい」
「お安い御用です」
亮さんは私についてきて部屋に入った。そしてお布団に入って上向きに寝転んだ。目をつむっている。
「疲れているみたいですね」
「ああ、疲れた」
「背中を撫でてあげましょうか? うつ伏せに寝てください」
亮さんは素直に身体の向きを変えた。私はゆっくりといつも亮さんがしてくれるように背中を撫で始める。
「いいもんだね、背中を撫でてもらうのは」
「そうです。とっても気持ちいいんです。いつもしてくれているではありませんか」
「そういえば、してもらったのはこれがはじめてだ。ありがとう。癒される! なぜ疲れたのかって聞かないの?」
「言いたくないと思うし、それを聞いても私は何もしてあげられないから」
「こうして撫でて癒してくれている。それで十分だ。本当に十分過ぎるくらいだ。ありがとう」
「亮さんはいつも私をこうして癒していてくれています。これくらいさせてください」
「そうか、ありがとう。このままここで眠らせてくれれば、もう言うことはない」
亮さんはすぐに眠った。やっぱりとっても疲れていたんだ。亮さんが私の腕の中で眠っている。すごく亮さんが愛おしい。きっと亮さんも私を抱いてこう思ってくれていると思うと、嬉しくなって、抱き締めた。
亮さんは「うーん」といって私を抱き締めた。きっとこれは無意識にしたことだと思う。抱き締められて幸せ!
朝、私の部屋から亮さんが起きてきた。私はもう朝食の準備を始めている。亮さんにはゆっくり寝ていてほしかったので、気づかれないように起きてきた。
私を恨めしそうにみている。起きた時もそばにいてほしかったのだと気が付いた。次からはそうしてあげよう。
亮さんは「今日は同期と飲むから夕食はパスします」といって出勤した。もう風俗にいったりしないことは分かっている。
10時少し前に帰ってきた。すぐに玄関まで迎えにいった。私の顔を見ると嬉しそうに笑ってくれた。
「おかえりなさい」
「ただいま。少し疲れた」
亮さんの口から「疲れた」と言うのを聞いたのは初めてだった。確かにとても憔悴して疲れているように見える。あの笑顔は私を見て本当に嬉しかったのだと思う。
「お風呂、大丈夫ですか?」
「大丈夫だ。心配してくれてありがとう。一息ついたらすぐに入るから、もう休んで」
いつものように私を気遣ってくれる。ありがたいけど亮さんのことが心配になる。ソファーに坐ったのでお茶を入れてあげる。
亮さんは一休みしてからバスルームへ入った。私はソファーで上がるのを待っている。でもお風呂の亮さんのことが気にかかる。
「お背中流しましょうか?」
浴室の外から聞いてみる。少し間があった。
「悪いけど流してくれる?」
それを聞いて私はパジャマを脱いで裸になった。そして浴室へ入った。亮さんは頭を洗っていた。
顔をあげて私が裸になっているのに驚いたみたい。私はもう亮さんに裸を見られるのは慣れた。浴室は明るくて恥ずかしいけど、それよりも背中を流してあげたかった。
タオルに石鹸をつけて、背中を洗いはじめると、亮さんは気持ちよさそうだ。よかった、喜んでもらえて。
今まで亮さんにしてもらうばかりで私は何もしてあげられなくて申し訳ない気持ちでいっぱいだった。でもこんなことならいくらでもしてあげられる。これで喜んでもらえるなら。
「一緒に浸かってくれる?」
「はい」
一緒にバスタブに浸かる。亮さんの前に私を招き入れる。お湯が勢いよく溢れる。そして後ろから軽く抱くように手を廻してくる。
うなじにキスされた。私は髪をアップにして留めている。思わず首をすくめたけどいやだからではなかった。くすぐったい。お礼のキス?
「ありがとう、洗ってもらっていい気持ちだった。疲れがとれる」
「喜んでもらえて嬉しいです」
「上がろう」
浴室を出ると私はバスタオルで背中を拭いてあげる。亮さんもお返しに拭いてくれる。拭き終わると「ありがとう」といって、私に軽くキスした。亮さんはとっても嬉しそうだった。よかった。
「頼みごとがあるけど聞いてくれる」
「何ですか?」
「今夜は理奈さんの布団に入れてもらえないかな?」
「良いですよ、喜んで」
「理奈さんを抱きたいとかいうよりも、一緒にいたい、いてほしい」
「お安い御用です」
亮さんは私についてきて部屋に入った。そしてお布団に入って上向きに寝転んだ。目をつむっている。
「疲れているみたいですね」
「ああ、疲れた」
「背中を撫でてあげましょうか? うつ伏せに寝てください」
亮さんは素直に身体の向きを変えた。私はゆっくりといつも亮さんがしてくれるように背中を撫で始める。
「いいもんだね、背中を撫でてもらうのは」
「そうです。とっても気持ちいいんです。いつもしてくれているではありませんか」
「そういえば、してもらったのはこれがはじめてだ。ありがとう。癒される! なぜ疲れたのかって聞かないの?」
「言いたくないと思うし、それを聞いても私は何もしてあげられないから」
「こうして撫でて癒してくれている。それで十分だ。本当に十分過ぎるくらいだ。ありがとう」
「亮さんはいつも私をこうして癒していてくれています。これくらいさせてください」
「そうか、ありがとう。このままここで眠らせてくれれば、もう言うことはない」
亮さんはすぐに眠った。やっぱりとっても疲れていたんだ。亮さんが私の腕の中で眠っている。すごく亮さんが愛おしい。きっと亮さんも私を抱いてこう思ってくれていると思うと、嬉しくなって、抱き締めた。
亮さんは「うーん」といって私を抱き締めた。きっとこれは無意識にしたことだと思う。抱き締められて幸せ!
朝、私の部屋から亮さんが起きてきた。私はもう朝食の準備を始めている。亮さんにはゆっくり寝ていてほしかったので、気づかれないように起きてきた。
私を恨めしそうにみている。起きた時もそばにいてほしかったのだと気が付いた。次からはそうしてあげよう。