「ほらほら~、さっきの威勢はどうした~?」

「ん、口程にもない」


「マナ、その12.7mm重機関銃M2をお見舞いしてやりな!」

「分かりやした、姉御!!」

「ミサキ、44口径120mm滑腔砲(かっこうほう)Rh(ラインメタル)120(主砲)の威力を、奴らに思い知らせてやりな!」

「は、はい!!」


私たちはヤンキーたちの猛攻により次第に劣勢になりつつあった。


「キク、弾薬足りる?」

「ちょっと心もとないかも」

私はチッと舌打ちをした。

「手榴弾は新入生用で威力が弱く設計されてるから余り期待出来ないし、あの90式戦車の装甲は複合素材が使われてるから、ダイヤモンド並みに固いから銃弾を弾くし……」

どうすればあのヤンキーたちを止められるか、考えていたその時──


「君たち! 伏せろ!!」


突如そんな声が聞こえ、咄嗟に地面に伏せた。その数秒後、周りが光と爆音に包まれた。


「眩しくて何も見えないよ?!」

「そしてめっちゃうるさい、耳がつぶ……れる……」


「おい! 何も見えない上にめちゃくちゃうるせーぞ!」

「M84特殊閃光音響手榴弾(スタングレネード)っす!!」

「こ、鼓膜が~~」

先程声が聞こえた方から、ヤンキーたちに向かって何か飛んで行った途端、爆発が聞こえヤンキーたちの悲鳴で一杯になり、何が起こったのか分からず、そのまま地面に伏せていた。

横をふと見ると、シュアファイアM628ウェポンライト(懐中電灯)を装着しているMP5(短機関銃)を装備した、アサルトスーツに身を包んだ人たちが銃器対策警備車から降車展開していた。

「安心しろ! 私たちは“SUT”だ。怪我はないか?」

先程“SUT”と名乗った少女は、私たちに近付きながらそう聞いてきた。

「はい、大丈夫です」

「私も大丈夫です!」

私は少女に対してそう返事をした。

「それは良かった。あゆみ、まなみ!」

すると、少女は二人の隊員を呼んだ。

「安全な場所まで二人を護衛しろ!」

「「はっ!!」」

「では残りは私に付いてこい! あいつらを取り押さるぞ!!」

少女は、私たちをあゆみとまなみと呼ばれた人たちに任せた後、ヤンキーたちを制圧するために行ってしまった。
私たちはヤンキーたちと戦ってる様子を移動しながら見ていた。
それは、とても俊敏で美しく無駄な動きが一切ない洗練された動きで、ヤンキーたちを次々と処理して行っていた。