とある日曜日。
私はスーパーで恐ろしいものを見つけた。
お菓子が陳列されてある棚の隣にあった飴のコーナー。
そこに新発売というポップ付きで置いてあったのは、
『期間限定!なにわのソース味キャンディ』
と、書かれたキャンディ。
ソ、ソース味キャンディ?
棚から一つ手に取り、裏を見ると『全3種、とんかつソース、ウスターソース、お好みソース』と明記されていた。
まさかの3種類。
どれも全く味の想像がつかない。
そもそも、この会社の人はどうしてソース味のキャンディを売り出そうと思ったんだろう。
なんて、考えたところで答えが見つかるはずもなく。
以前の私だったら、確実にスルーしていたであろうその商品をカゴへと入れた。
(いつも貰ってばかりだし、織田くんに何かお礼をしないと)
私は味の保証がないその飴以外にも、たこ焼き味!濃いソース味!などと書かれた商品を次々とカゴの中へと入れていった。
あとは、美味しそうなバームクーヘンも。
織田くんソース味のものが食べたいって言ってたから、喜んでくれるといいな。
翌日、私は保健室に着くと真っ先にソース味のお菓子セットを渡した。
《いつもの飴のお礼です》
「え?いいの、ありがとう」
織田くんは嬉しそうに袋の中を見る。
「狩野ちゃん……めっちゃ嬉しいねんけど、ソース味の飴ちゃんにたこ焼き味のスナックってもしかして俺が関西人やからってイジってる?」
その言葉に全力で首を横に振る。
ソース味ばかりを選んだのは間違いだった?そう肩を落としていると隣から聞こえてくる笑い声。
「冗談やって。この前、俺がソース味が恋しいって話したからやんな?ありがとう」
《ちょっと焦った》
「あはは、ごめんって。てか、普通にバームクーヘンもあるやん」