銀座のデパートは人でいっぱいだ。会場に近づいただけで、いい匂いが漂ってくる。
「いいところを選んだね、プロ意識がでてきたのかな?」
「学校では、おいしいものを食べないと腕が上がらないと言われました」
「おいしいものを食べていないことを腕が上がらない理由にしてはいけないと思うけど」
「でも、あまりおいしいものを食べていなかったように思います」
「俺が悪かった。未希にうまいものを食べさせてやれなくて」
「これからは自分でおいしいものを食べます」
「今日は自分で食べるものは自分がお金を払うんだよ」
「いろんなものを食べてみたいから、いいことを思いついた」
「どうするんだ?」
「二人で違うものを買って、半分食べたら交換する」
「それはいい考えだが、普通はしないな」
「山内さんとだからできる」
「少しは遠慮してみたらどうかな、自立した女性ならば」
「自立しているから、そういう人が必要なんです」
そう言われて悪い気はしなかった。未希は真剣に俺とのことを考えてくれているのだと思った。いや、ただ甘えているだけかもしれない。以前から甘え方はうまかった。
3品ほど食べて、テーブルで一休みする。合計6品食べたことになる。こんなのんびりした気持ちになったのは久しぶりだ。そばにはニコニコした未希が俺の手を握っている。この時間を大切にしたいと思った。
「お腹がいっぱいになると心まで満たされますね。この時間を大切にしたい」
そう未希が言ったので、思わず顔を見た。
「どうしたんですか?」
「俺も同じことを考えていたので驚いた」
「驚くことではありません。元々心が通じ合っていたではありませんか?」
「未希はそう思ってくれていたのか、気が付かなかった」
ほっとした。未希から距離をおいて、二人の関係を考えなければならないのは俺の方だったかもしれない。
それからまたそれぞれ3品ほど買って食べた。半分食べて交換したから、合計12品も食べたことになる。お腹がいっぱいになった。腹ごなしに銀ブラすることにした。
今日は土曜日なので歩行者天国ではなかった。多くの外国人観光客が歩いている。歩道は込み合っている。二人で手を繋いでただ歩いている。
「未希の自立のお祝いに何かプレゼントをさせてほしい」
「うれしい。ありがたくいただきます。クリスマスプレゼントはいつもしています。ほら」
未希は右手をみせてくれた。それは未希が冬の雨の日に戻ってきた時に気づいていた。
「大事にしてくれてありがとう。今度も俺の趣味でいいか?」
「その方がいいです」
目の前にブランドのジュエリー店があったのですぐに二人で入った。今度はブレスレットにしようと思っていた。
丁度よさそうなのが見つかった、値段も手ごろだ。デザインが二通りあったので、未希に選ばせた。そして、その場で着けて帰ってきた。
未希はお礼に今度の日曜日、クリスマスのディナーに招待するから6時に部屋に来てほしいと言った。
「いいところを選んだね、プロ意識がでてきたのかな?」
「学校では、おいしいものを食べないと腕が上がらないと言われました」
「おいしいものを食べていないことを腕が上がらない理由にしてはいけないと思うけど」
「でも、あまりおいしいものを食べていなかったように思います」
「俺が悪かった。未希にうまいものを食べさせてやれなくて」
「これからは自分でおいしいものを食べます」
「今日は自分で食べるものは自分がお金を払うんだよ」
「いろんなものを食べてみたいから、いいことを思いついた」
「どうするんだ?」
「二人で違うものを買って、半分食べたら交換する」
「それはいい考えだが、普通はしないな」
「山内さんとだからできる」
「少しは遠慮してみたらどうかな、自立した女性ならば」
「自立しているから、そういう人が必要なんです」
そう言われて悪い気はしなかった。未希は真剣に俺とのことを考えてくれているのだと思った。いや、ただ甘えているだけかもしれない。以前から甘え方はうまかった。
3品ほど食べて、テーブルで一休みする。合計6品食べたことになる。こんなのんびりした気持ちになったのは久しぶりだ。そばにはニコニコした未希が俺の手を握っている。この時間を大切にしたいと思った。
「お腹がいっぱいになると心まで満たされますね。この時間を大切にしたい」
そう未希が言ったので、思わず顔を見た。
「どうしたんですか?」
「俺も同じことを考えていたので驚いた」
「驚くことではありません。元々心が通じ合っていたではありませんか?」
「未希はそう思ってくれていたのか、気が付かなかった」
ほっとした。未希から距離をおいて、二人の関係を考えなければならないのは俺の方だったかもしれない。
それからまたそれぞれ3品ほど買って食べた。半分食べて交換したから、合計12品も食べたことになる。お腹がいっぱいになった。腹ごなしに銀ブラすることにした。
今日は土曜日なので歩行者天国ではなかった。多くの外国人観光客が歩いている。歩道は込み合っている。二人で手を繋いでただ歩いている。
「未希の自立のお祝いに何かプレゼントをさせてほしい」
「うれしい。ありがたくいただきます。クリスマスプレゼントはいつもしています。ほら」
未希は右手をみせてくれた。それは未希が冬の雨の日に戻ってきた時に気づいていた。
「大事にしてくれてありがとう。今度も俺の趣味でいいか?」
「その方がいいです」
目の前にブランドのジュエリー店があったのですぐに二人で入った。今度はブレスレットにしようと思っていた。
丁度よさそうなのが見つかった、値段も手ごろだ。デザインが二通りあったので、未希に選ばせた。そして、その場で着けて帰ってきた。
未希はお礼に今度の日曜日、クリスマスのディナーに招待するから6時に部屋に来てほしいと言った。