「いいけど必要なものは自分で揃えてね。こちも予算がカツカツなの」
「もちろん構わないぜ。私の資料も論文も全部。君の助手として一切責任を持つ。もちろん君の研究がすべて悪であることも判明している。でも私にとって君はそんなキャラじゃない。君を人間観察した結果だ」
「そう? お互い未知の部分はある。ただ、君は私より秀でていてとても魅力的だ」
「君をもっとよく知りたい。また逢えるよね?」
「ええ」
ノースの奴め。ちゃっかりデートの約束をとりつけやがった。
俺たちは手を上げて互いを見た。
「ハルシオンの希望をあいつにも伝えておいてくれ。君の研究を悪く言うつもりはない。これは君の為の実証実験だ。成果をみな必要としているし愛してる。研究が実を結ぶために君にリソースが優先される。君が私の研究に参加してる限り、私も私の研究に集中する。ただし、これは一研究者としての私に対する戒めだ、今後ともよろしく頼む」
ハルシオンは頷き、俺は握手をした。ノースも拳をぶつけてくる。
「ああ、これからもハルシオンの研究に協力してくれ」
「分かった」
ハルシオンが研究者としての顔をした。
俺はハルシオンが俺の研究を認めてくれたことに安堵した。いつかハルシオンに「良い相棒ね」と言ってもらいたかった。
「あ、あの……それと……」
「ええ、分かっているわ」
「何かありますか」
俺はハルシオンに話しかけた。ハルシオンは穏やかな声音で喋り出した。
「話が早くて助かるわ」
「本当ですか」
ハルシオンは俺の研究に関して自分なりに研究を進めようとしている。
「ええ、だから、今日中に片付けたいの。貴方に必要なのはわたしの研究よ」
「でも、俺はハルシオンの正式な研究チームメンバーに認めてもらえますか」
と言うのもメッセンジャーはあくまで助っ人の立場だ。深入りするには主任者の許可がいる。しかもオプスは妙齢の女性だし。
「ふ~ん。小動物みたいな目をしている」
ハルシオンに不安を見抜かれた。
「えっ?!…えっ…いや」
「オプス先生はサボりやズルにはこわぁいけど、失敗には優しい人よ」
先に言われて俺は内心ほっとした。黒エルフは和睦するまで人間を敵視していた。威圧的で差別的で特に魔導に関しては上から目線だ。しかしパワハラの心配はオプスに限って無用らしい。でなけりゃハルシオンと組まない。
「いや、いや、そういう事では。俺はハルシオンと…」
「あなたが認められなければ実験が終わらないわ。わたしはまだ彼を見放してはいないの。まだ彼から何か見つけたいの。それに……」
ハルシオンは少し顔を赤らめている。
「あなたのことは、誰かに打ち明けておきたい。それはそれだったの」
その後、ハルシオンは自分の研究に取り組んでくれた。
ただ、ハルシオンが俺に対し研究のことで嘘を教えるのは嫌じゃ無いと俺は思っていた。
俺はハルシオンの研究に協力してもいいと思っていた。群れをつくらない性格らしく、学内でもシュレディンガーの猫みたいな扱いだった、それはハルシオンにとっても同様で権益を尊重する限り、我関せずだった。
俺はどうだっただろうか……。だが、珍しく承認欲求のサインを出したのはハルシオンの方だ。
いんだろうか……。ところで、一つ引っかかる点があった。それは地縛霊を固定した呪具の事だ。
水星の逆行は伝達に関するもろもろを阻害するという。なぜ交渉が纏まった。
本来なら幽霊と決裂しひと悶着起きている頃だ。何か神の恩寵でもあるのか。
「もちろん構わないぜ。私の資料も論文も全部。君の助手として一切責任を持つ。もちろん君の研究がすべて悪であることも判明している。でも私にとって君はそんなキャラじゃない。君を人間観察した結果だ」
「そう? お互い未知の部分はある。ただ、君は私より秀でていてとても魅力的だ」
「君をもっとよく知りたい。また逢えるよね?」
「ええ」
ノースの奴め。ちゃっかりデートの約束をとりつけやがった。
俺たちは手を上げて互いを見た。
「ハルシオンの希望をあいつにも伝えておいてくれ。君の研究を悪く言うつもりはない。これは君の為の実証実験だ。成果をみな必要としているし愛してる。研究が実を結ぶために君にリソースが優先される。君が私の研究に参加してる限り、私も私の研究に集中する。ただし、これは一研究者としての私に対する戒めだ、今後ともよろしく頼む」
ハルシオンは頷き、俺は握手をした。ノースも拳をぶつけてくる。
「ああ、これからもハルシオンの研究に協力してくれ」
「分かった」
ハルシオンが研究者としての顔をした。
俺はハルシオンが俺の研究を認めてくれたことに安堵した。いつかハルシオンに「良い相棒ね」と言ってもらいたかった。
「あ、あの……それと……」
「ええ、分かっているわ」
「何かありますか」
俺はハルシオンに話しかけた。ハルシオンは穏やかな声音で喋り出した。
「話が早くて助かるわ」
「本当ですか」
ハルシオンは俺の研究に関して自分なりに研究を進めようとしている。
「ええ、だから、今日中に片付けたいの。貴方に必要なのはわたしの研究よ」
「でも、俺はハルシオンの正式な研究チームメンバーに認めてもらえますか」
と言うのもメッセンジャーはあくまで助っ人の立場だ。深入りするには主任者の許可がいる。しかもオプスは妙齢の女性だし。
「ふ~ん。小動物みたいな目をしている」
ハルシオンに不安を見抜かれた。
「えっ?!…えっ…いや」
「オプス先生はサボりやズルにはこわぁいけど、失敗には優しい人よ」
先に言われて俺は内心ほっとした。黒エルフは和睦するまで人間を敵視していた。威圧的で差別的で特に魔導に関しては上から目線だ。しかしパワハラの心配はオプスに限って無用らしい。でなけりゃハルシオンと組まない。
「いや、いや、そういう事では。俺はハルシオンと…」
「あなたが認められなければ実験が終わらないわ。わたしはまだ彼を見放してはいないの。まだ彼から何か見つけたいの。それに……」
ハルシオンは少し顔を赤らめている。
「あなたのことは、誰かに打ち明けておきたい。それはそれだったの」
その後、ハルシオンは自分の研究に取り組んでくれた。
ただ、ハルシオンが俺に対し研究のことで嘘を教えるのは嫌じゃ無いと俺は思っていた。
俺はハルシオンの研究に協力してもいいと思っていた。群れをつくらない性格らしく、学内でもシュレディンガーの猫みたいな扱いだった、それはハルシオンにとっても同様で権益を尊重する限り、我関せずだった。
俺はどうだっただろうか……。だが、珍しく承認欲求のサインを出したのはハルシオンの方だ。
いんだろうか……。ところで、一つ引っかかる点があった。それは地縛霊を固定した呪具の事だ。
水星の逆行は伝達に関するもろもろを阻害するという。なぜ交渉が纏まった。
本来なら幽霊と決裂しひと悶着起きている頃だ。何か神の恩寵でもあるのか。