(……誰か寝ているのかな)

 そう思い、できるだけ物音を立てずに横たわる。
 すると次の瞬間、勢いよく目の前のカーテンが開かれた。先程まで閉ざされていたカーテンの先には、背の高い(ベッドに座っているので、実際に高いかは不明だが)男の子がいた。

「ねぇ、さっき一年三組って言った?」
「……言った、けど」

 いたって元気そうな彼がなぜここにいるのか。不信感と疑問を抱きながらもそう答えると、男の子は自分が聞いておきながら、ふうんと興味がなさそうに言った。

「俺さ、ずっと疑問に思ってることがあって。答えてくんない?」
「……今じゃなきゃだめ?」

 こっちはさっさと寝たいのに、と自分より高い位置にある彼の顔を睨みつけるように問いかける。が、彼はそんなことを気にせずに話し続けた。

「うん、だめ。いろんな人に聞いても似たような答えしかかえってこなかったからさ、折角だし、いいでしょ?」

 ……だめだ、全く話を聞いてくれない。
 私が諦めの境地に入った私に、自分の膝に肘をついた彼は、少しだけ私の方に体を乗り出して聞いた。