「……うん。ごめんなさい」

こんなにいい人なのに、疑ってしまう自分が嫌になる。

「だよね。……でも私ね、中学生のころから陽菜と仲良くなりたくてたまに見ていたの。それでなんか、急に陽菜の性格とかが変わったから不思議に思ってて……」

気持ち悪いよね、ごめん。

彼女はそう自嘲するように笑った。
それがすごく苦しかった。
別にそんなこと思っていない。
鈴谷さんがいてくれたから、今ここにいる私はずっとこの世界で生きてきた私だと分かった。

「ありがとう、静香。まだこの世界で生きる私として関わるのは片手で数えられるくらいしかないけど、心から信用できる人だって思ったよ」

彼女のことを自然と呼び捨てで呼んだ。
それを聞いた鈴谷さん……静香は、本当に嬉しそうに笑った。