見せられた動画を観てみると、確実に入れ替わっていて正直背筋が凍った。
これを実際に目で見て、その上で私にこうして優しく接してくれる鈴谷さんに心が救われた。

「これが、ミラーマジックなんだね……」

「大丈夫。今ここにいる陽菜がこの世界の陽菜だよ」

私の声色で想いや不安を読み取ったのか、背中をさすりながら声をかけてくれる。
でもなんで私がこの世界の私だって断言出来るの?同情しているだけ?
そう思ってしまうのは、私の心が相当ひねくれているからだろう。

「なんでって、思ってる?」

鈴谷さんはよく人の表情を読み取る。
ほんの数分しか一緒にいないのに、彼女はまるで心の中を読むように私の表情や声色を読んだ。