「陽菜、おはよう」

ドンッと背中を叩かれた。
その衝撃で、私は軽くよろけて少し早めの歩幅で数歩前に出る。
……この強さ、静香だ。

「おはよう、静香。今日もパワフルだね」

今かけられる最高の褒め言葉を静香に捧げる。
元気なのはいいことだ。
もうちょっと優しく触れることが出来ないのかと思うのは事実だけど。

「二日に一回くらい言うよね、それ」

「そんなの意識したことないよ」

何日の幅に何回パワフルだと彼女に声をかけているのかは数えていないし、正直数えられない。
そんなの別に数えてもいいことがないし、キリがない。