鏡から目を離して空を見上げると、月が輝き、星は瞬いていた。
大丈夫。きっとまた、明日もいい日になる。
時間割通りに教科書を詰めてずっしりとしたスクールバッグを椅子の上に置いた。

もう、私は今日の授業の内容を覚えていない。
朝どうやって登校して、どこで誰と話して一日を終えたのか、分からない。

スマホに入っているお天気アプリを開くと、明日は雨だった。
こんなに綺麗でシンと静かな夜空を、私は覚えていられるのかな。
少し寂しくなって、私は空の写真を一枚、スマホに収めた。
ぼやっとしていて、それはまるで月の形をして形を崩したスパンコールのように映っていた。

スマホを閉じて頭まで布団を被っても、この行き場のない、誰にも話せない不安はどこまでも私を追いかけてきていた。