隣に座る晴寧も驚きを隠しきれないみたいだった。
題名と名前の下には、僕の作品が、絵の中で溢れんばかりの笑顔を見せる晴寧が載っていた。
審査員講評に酷評が書かれているのではないかと、少し怖くなったがそんなことはなかった。
僕は半分くらい放心状態でパソコンを眺めた。晴寧はそんな僕をみて
「まだ信じられない感じ?」
と笑顔で訊く。
「…まあ」
「私のおかげだもんねー」
「確かにそうだね、ありがとう」
僕がそう返すと彼女は少し冗談っぽく驚く。
「那月くんがそんなに素直になるとは一体何が…」
と冗談を言ったあと、彼女は僕に
「おめでとう」
と言ってくれた。