笑い空


 歯磨きと髪のセット(セットと言っても前髪をアイロンし、髪をひとつ結びだけだ)が終わった。洗面所を出て階段を上っていると丁度階段を降りようとしていたお父さんに会った。
「おう、おはよう。いつも通りみんな早いなー。早起きはいいことだけど、無理して早起きしてるんだったらやめろよ?睡眠も大事なんだから。」
 お父さんは最初は笑顔で、でも途中から真顔でそう言った。美空のコロコロ変わる表情はお父さん似か、と思った。
「おはよ。目が覚めたら起きてるだけだから無理してないよ。寝るのも早いし。」
「確かにそうか。笑美は今時の中学生に対してだいぶ寝るの早いもんな。10時には絶対寝てるんだもん、5時に起きてもえっと、7時間寝てるな。じゃあ大丈夫だ。」
 お父さんは自慢気な顔になって言った。私のことなのにお父さんが自信満々な顔してるのってちょっとおかしい。私は笑いをこらえて「うん。」と言って部屋へ行く。
 ドアを閉めた途端、私は我慢していた笑いを一気に出す。久しぶりにツボに入った。しばらくクツクツ笑っていたが、突如おかしさが消え去り、真顔に戻った。