部活が終わり、心七と帰り道を歩く。話題の中心は上橋くんだ。心七は好きな人とかいないのかな。
「笑美?どうかした?なんかボーッとしてるけど。」
「いや?ただ、私の話ばっかりしてるけど、心七は好きな人とかいないのかなって思っただけ。心七の浮ついた話聞いたことないし。」
いつのまにか頭の世界にワープしていたようだ。せっかくだからと、心七に思いついた疑問を聞いてみる。すると、心七は少し顔をしかめた。心七があまり浮かべない表情を浮かべたので、何か嫌なことを言ってしまったかと心配になる。
「いないいない。だって私、理想高いもん。ああ、笑美が男の子だったか、私が男の子だったらよかったのになー。笑美みたいに気が合う人、全然いないもん。あ、でも笑美には好きな人がいるんだ。じゃあ無理だー。」
「えー、私だって心七か私が男の子だったら心七に惚れてるよ。まあでも、友達っていう関係もすごく気に入ってるんだけど。」
よかった、嫌だったわけじゃないんだ。それに嬉しい。心七の理想が高いことも初めて知ったし、私のことそんなに思ってくれてたなんて。
今日は心七の意外な一面がたくさん知れてよかったな。