私が発声練習をしていると、同じパートの帆乃(ほの)先輩が声をかけてきた。 「ごめん。笑美ちゃん、これから習い事があるからもう帰るね。」 え、まだ20分くらいしか経ってないのに。それに夏休みには大会があるから今が踏ん張り時だって先生にも言われてる。習い事ならしょうがないのかもしれないけど、(しかも受験生だからきっと塾だろう。)できるだけ部活に出てって言ってたのは先輩達なのに。 「はい、分かりました。おつかれ様です。」 私は不満に思いながらも笑顔を見せて、思ってもないことを言った。