『初恋は叶わない』とはよく言ったものだと思う。

だって私の初恋は、絶対に叶わないものだから。
ずっとずっと焦がれて、憧れて、手を伸ばし続けた人。
それでも、絶対に手が届かなかった私の一番星。

顔も名前も知らない幼少期の思い出。
普通の人なら、そうやって月日とともに片付けることができるのだろう。

でも私は、そうすることができなかった。
過ぎていく月日とは私だけが逆行するように、独りだけで彼との『約束』を今でも果たそうともがいている。



────絶対に果たせないと、そうわかっていながら。