どこにいても、何をしていても、いつもどこか息苦しい__こんな自分のことが大嫌いだ。
やるせなさに包まれながら、僕は歩きます。上手く息が出来る場所を探しながら、ある詩を思い出しながら。僕はどこへ行けばいいのでしょうか。安心というものは僕の世界には存在しませんでした。いつもどこか不安で、この世界に怯えていたのです。でも君、君に出会ってから僕の世界は一変しました。ありふれた出会いなのかもしれない。でも、確信したのです。僕らは二人でいなければならないと。
君は、僕の光でした。
君が初めて僕のスレに顔を出した日から、君は、僕の光でした。
僕らの出会いはある掲示板。限界集落と呼ばれるほどの過疎った掲示板です。そこで僕はよく独り言スレを立てては放置してを繰り返していました。その日も、無意味に好きな歌詞をスレタイにして立てていたのです。そんなところに君はやってきました。僕がブルーハーツの詩を書いていたところに、光はさしたのです。君は牛乳寒天のようなほんわりと安心を形にしたような雰囲気を漂わせながら君はブルーハーツの話をし始めました。
最初は同志に出会えたことが嬉しくて、僕は少年のように喜びました。
話していくにつれ僕たちは、脳みそ交換と称した長い長い会話を、一日に何レスもつけてしていました。それがだんだんと日課になり、日常になり、生活となりました。僕はそれが嬉しくて、君の生活の一部になれることが嬉しくて、嬉しくて、しょうがなかったのです。今年で君と出会って一年になります。
この世界に対する息苦しさは幼い頃から僕を蝕みました。酸欠になって頭が壊死してしまうほど、苦しくはなかったけれど、それでも息はしづらかったのです。息をしないと人間は死んでしまう。何十秒か脳に酸素がいかなければ死んでしまう。そのことを知りながらも僕は楽に息をする、という選択をしませんでした。苦しくともこれで良いと思っていたのです。楽をして仕舞えば今までの苦しみがなんでもなくなってしまうような気がして、楽に息をすることにも僕は怯えていたのです。息苦しいのは、きっと生というものに人よりも執着をしていて、常に少しでも誰かに嫌われる、呆れられるのことを怯えていて、自分軸を失って、誰かしらに依存しているからなのだと思います。やめたい、やめたいと思っても苦しみから逃れられない、逃れようとしない僕に嫌気がさしていました。どうしようもないな、と自分でも思います。けれど、君はそんな僕を好きだと言ってくれるのです。それだけで僕は宙を舞えるような気持ちになるのです。君と出会って、この苦しみはだんだんと減っていきました。君の言葉は僕を多幸の海へ誘う。そうです、君は僕の神様なのかもしれません。楽になりたいとは思わない。だけれど、君のために僕は息をしなければならない。しっかりと、どっしりと構えて、君といるために、君を守るために。
僕は、少しだけ肩の力を抜いた。
君を柔らかく包むために。
僕は、少しだけ歩み始めた。
君、君のために。
行き先は分からないけれど歩いていくのです。
幸福を形作るために。
僕は、少しだけ息がしやすくなった気がした。