いつも通り1人で廊下を歩いてると、「なんでいつも1人でいるの?
寂しくないの?。」と聞いた事のある声が言った。ハッとして振り返ると蒼斗がいた。「別にいいじゃん」、「へぇー。」そんなどうでもいいような会話を適当に聞き流しながら私は思う。なんで蒼斗とは普通?に話せてるんだろ。教室に着くと蒼斗がなんだから改まった顔で私の顔を覗き込んできた。
「なんか隠してない?」
「ほへっ」
びっくりして変な声が出た。
「いやなんかいつもの桃じゃないからさ。なんか隠し事してるんじゃないかなって。あるなら言えよ。」
なんで蒼斗はわかるんだろう。心が読めてるみたい。
「あるなら言えよ。ずっと隠してると自分、無くしてしまうぞ。どんなこと言っても俺は最後までちゃんと聞く。」
その言葉が私の心の闇の部分が一気に明るくなった。気づけば頬は涙で濡れていた。
蒼斗はラスボスに勝った時みたいな笑顔で、そしてまっすぐな目で私を見ていた。
「っ..」
留めなく溢れる涙。止め方は知ってたはずなのに、今はそれが出来なかった。
「っ、うん」
「へへへ」
蒼斗に、全部話してみよう。彼ならきっといい答えを出してくれる。信じよう、蒼斗を。
「ありがとうっ」
輝く彼の姿を見てると少しだけ息がしやすくなった気がした。