『エアくんへ
 今までありがとう。勝手に死んでごめんなさい。
 初めて出会った日のこと覚えてますか?友だちに連れられてジェネラルに足を踏み入れた日。あの日、エアくんが私を人間にしてくれたんだと思ってます。初回でたくさん人が席についてくれたけど、私のなかでエアくんは忘れられない人になりました。
 それから指名させてもらって何回もお店に来たけど、ずっと細客でごめんなさい。一度もシャンパンとか入れられなくてごめんなさい。さりげなくシャンパン匂わせられるの本当はわかってたし、本当はすごく嫌だったよ。
 エアくんはシャンパンが似合う人だってわかってた。でもそれを入れてあげられる姫じゃなくて。エアくんに似合う姫になれなかったからかな?最近は営業でしか連絡くれなくなってちょっと寂しかった。前みたいに、何気ないことで電話できる関係に戻れないんだって思ってしまったの。あなたに似合う姫になれなくてごめんなさい。
それでは。 幸来。
 P.S.もしこの手紙がエアくんのところに届いたら、届けてくれた人には読ませてあげてね』