戻ることができた、なんとか。
自分の姿に。
そのことは。
ほっとしている、とりあえず。
だけど。
わからない、またいつ起こるのか。
そう思うと。
心配、不安、落ち込み……。
湧いてきてしまう、そんな負の感情たちが。
そんな中でも。
龍輝くん、桐生くん、諏藤くん、平岡くん。
彼らのおかげで。
救われている、ものすごく。
彼らがいるから。
少しだけ前を向くことができている。
そんな彼らに感謝の気持ちでいっぱい。
「おっ、
目、覚めた?」
……誰?
ここはどこ?
目の前には男子が一人。
少し離れたところにも男子たちが。
全員、全く知らない。
この部屋も。
全く見覚えがない。
どこかの廃墟だろうか。
よくわからないけれど、そういう雰囲気がある。
室内は薄暗く。
明かりは小さい窓から差し込む光くらい。
ところで。
今、何時だろう。
スマートフォン……あれ、どこ?
持っていたバッグも見当たらない。
って⁉
なにこれ⁉
私っ、縛られているっ⁉
手足を紐のようなものでっ。
「あっ、それ少しの間、辛抱してね。
目的の人が来たら解放してあげるから」
どういうこと?
訊きたくても。
今の私は。
塞がれている、口も。
「今、君が目を覚ましたこと
報告してくるから待ってて」
誰に?
そう思っている間にも。
目の前にいる男子は立ち上がり。
離れていく、私から。
そうして。
入っていく、少し離れたところにある部屋の中に。
どうしよう。
わからない、どうすればいいのか。
逃げることも助けを求めることもできない。
というか。
そもそも私はなぜここに連れてこられたのだろう。
目的の人。
その人が来たら解放する、私のことを。
そう言っていた。
目的の人。
一体誰のことだろう。
私が連れてこられた理由。
わからない、全く。
そう思っていると。
“ガチャッ”とドアが開いた。
そこは。
さっき私に話しかけてきた男子が入っていった部屋のドア。
そこから出てきたのは―――。
部屋から出てきたのは。
二人の男子。
一人は。
私に話しかけてきた人。
もう一人は――。
凍り付いた。
もう一人を見た瞬間。
それくらい恐ろしいオーラを放っている。
その恐ろしさは周りにいる男子たちとは桁違い。
そう感じている間にも。
近づいてくる、恐ろしいオーラの人が。
だから。
さらに凍り付いてしまう。
そんな中でも。
思っていることが。
目的は一体何なのか。
恐怖と疑問。
それらがグルグルと頭と心の中を駆け回っている。
そんな中でも。
思い願う。
逃げたい。
そして……会いたいっ‼
龍輝くんにっ‼