イケメン総長とキケンな関係 ~出会いは突然の入れ替わり⁉ 愛はそこから始まった~




「俺も、って、
 龍輝くん、もしかして」


「あぁ、
 夢のことだろ?」


「うん、そう。
 龍輝くんもなの?」


「あれは本当に夢なのか?」


「わからない。
 だけど三日間も同じ夢を見るなんて」


茉蕗(まろん)もなのか?
 俺も同じだ」


「えっ?
 龍輝くんも?」


「これは、
 偶然とは思えないな」


「そうだね」




「夢の内容、
 俺も全く同じだ」


「ということは、
 龍輝くんの言った通り、
 偶然じゃないということ?」


 夢の内容を伝え合った、龍輝くんと。


 私と龍輝くん。
 この三日間、同じ夢。

 それは。
 とても不思議なこと。


茉蕗(まろん)
 茉蕗がよかったら
 今から行かないか、
 夢に出てきた場所に」


 私も。
 思っていた、龍輝くんと同じことを。


「そうすれば
 何かわかるかもしれない」


「そうだね。
 行こう、その場所に」





「ここだよな、
 夢の中に出てきた場所」


「うん、
 ここだと思う」


 電車に乗り。

 着いたのは美しい海辺。


 青く輝く水面。
 そこに太陽の光が降り注ぎキラキラと輝いている。



「……何か起こると思うか……?」


「わからない。
 だけど何か感じるような……」


茉蕗(まろん)もか。
 俺も同じだ」


 波が穏やかに揺らいでいる。

 それが。
 逆に不気味に感じる。





『ありがとう、来てくれて』




「龍輝くんっ、
 声、聞こえなかった⁉」


「聞こえたっ」


「女の人の声だよねっ?
 透き通った感じのっ」


「あぁっ。
 だけど姿が見えねぇっ」


「うんっ、
 どこにも見当たらないっ」


「というかさ、
 声は聞こえたけど……」


「そうだね。
 聞こえたというより、
 入ってきたという感じだったよね……?」


「あぁ」


 どういうことだろう。

 とても不思議な感覚。




『ここは私たちにとって大切な場所だから』


『あぁ、そうだな。
 僕と君の大切な場所』





 なんとっ‼


「龍輝くんっ、
 男の人の声もっ」


「そうだなっ、
 だけど、やっぱり姿が……っ」


「うんっ、
 見当たらないっ、どこにもっ」


 一体どういうことっ⁉





『驚かせてしまって、ごめんなさいね。
 茉蕗ちゃんと龍輝くん(あなたたち)
 私たちの姿が見えないのは自然のことなの』


『そうなんだ。
 本当は僕たちも龍輝くんと茉蕗ちゃん(君たち)に姿を見せたいんだけどね。
 申し訳ないけど、声だけで失礼させてもらうよ』




 なんだろう。

 懐かしく感じる。

 女性と男性(二人)の声。