(あたたかい……、きっとここが天国なのね。ふわふわで気持ちいい。そっか、私死んじゃったのね)

「……うぶ」

(なんだかはっきり見えてきたわ。目の前に誰かいる? 誰?)

「大丈夫?」
「わっ!」

 リーズの目の前には見目麗しい金髪に蒼い目をした男性がいた。

「よかった、目が覚めてくれて」
「え?」
「森であなたが倒れていたので、拾ってきたんだ」

(拾ってきたっ?!)

 その言い方は人間に対して大丈夫なのかと不安になるリーズだが、おそらく自分の命の恩人なのだろうと理解してお礼を言うことにした。

「あ、ありがとうございます。助けていただいて」
「いや、びっくりした。あそこは獣も出るから無事でよかった」

(獣……?)

 自分が獰猛な獣に食べられる様子を想像して、頭をふるふるとさせる。