私は多分、恋愛をするのに向いていない。
 生まれたときからお調子者で、惚れっぽく、依存しやすい。
 少し優しくされただけでコロッと落ちる。

 そのせいか、私は常に恋と共に生きて来た。
 実際、私の友人たちは私のことを恋多き女だと言う。


 初めての恋は幼稚園の時。
 両思いだと知った次の日には結婚を誓い合い、手を繋いで園庭をデートしていた。

「たかし君と結婚するの」

 幼稚園から帰って両親に報告した次の日には、たかし君ではない男の子と結婚を誓っている始末。
 結婚詐欺師顔負けの乗り換えスピードだ。

 成長するにつれて、詐欺師ムーブをすることはなくなったにせよ、元来の惚れっぽさは治らなかった。

 傷つき、泣いて、枕を濡らす夜があっても、懲りずに次の恋へと繰り出している。

 生まれて云十年。

 これは、自他共に認めるダメ女のセレナーデ。つまりは、恋愛遍歴である。

 それではしばし、お付き合いのほど。