いつも1人でいる同じクラスの彼。彼の目にはどんな世界が映っているのだろうか。私は彼の目には私とは違う世界が映っているような気がする。彼はどこかこの世界に絶望したようなそんな目をしているような気がする。
 そんな彼のことをじっと見ていると、
「美桜?どこ見てるの?ちゃんと私の話聞いてる?」
と声をかけられ、はっとする。
 一体私は何をしているんだろう、今私がするべきなのはこの場所で大好きな友達と楽しく話をすることだ。今この瞬間を忘れないように噛みしめて生きなくては。
 それでも気になって彼のことを目で追ってしまう。いつか仲良くなれたらなと私は心の中で密かにそう願った。