広い6人掛けのテーブルに案内されて、フレンドはアレックスの膝の上に座りながらメニューを開いてデザートのページに夢中になっていた。
「デザートはご飯を食べてから」
「いやぁ。アイスがいい」
土曜日のお昼。どこから見てもイケメンパパに甘える子供の図。
アレックスの両端にシルフィンとジャックが座って、その向い側に私とリアムが座っての食事。フレンドの立ち位置は違うけど、なんだか懐かしくて胸が熱くなる。
「まずは……」
注文を終わらせてから、アレックスはテーブルの上で指を組んで私の目を見る。どんな状況でも品があり、力を持った偉大な王様。
「まずは……この世界。シングルファーザーの肩身が狭い」
ため息交じりでそう言ってから水を飲むアレックス。まずはそこなの?一気に肩の力が抜けてしまうよ。
「リアムから話を聞いてるのだろう?」アレックスに問われて私はうなずく。
「リナが消えた日から、リアムが暴れて大変だった」
そんな王様の言葉に両端でクスクスと笑うふたりの姿。
「俺は暴れてない」ぶすっと反論するけれど
「あれは凄かった」
「目が血走って怖くて近寄れなかった」
「不眠不休で捜すので、リアム様が倒れるかと思った」
突っ込まれて何も言えなくなるリアムだった。
「国を救った救世主に礼も言えず、異世界に戻してしまった。ありがとうリナ。民の代わりに私が代表して礼を言う」
あらためて静かに言われてしまい、私は恐縮して小さくなってしまう。
「みんなが心をひとつにしての勝利です。こちらこそ、いい経験でしたありがとう」
めったにできない経験です。もう二度とないだろう。
大人の会話が退屈になり、フレンドがテーブルの下を通って私の膝に移動する。ぷにぷにしたほっぺにほおずりしながら、私は愛しい彼女を抱きしめた。
「フレンドも頑張ったよね」そう褒めると「うん。頑張った」と、フレンドは笑顔を見せて答えてくれた。
本当に頑張ったよ。強かったね。
「あとはリアムに聞いた通りだ。リナと再会させるのに準備を重ねた。リアムはこちらの人間として転生させるから、私達も心配なのでしばらくこちらで様子を見ようと思った。なにしろ前例がないからね。リナの様子を見たいから騎士団達に見張らせて、私とシルフィンはリアムがこの世界で自然に馴染めるように彼を見守りたいので、しばらくこちらの世界で生活をしようと思い基盤を作ってみた」
「それが、バイク便と地下アイドルと支配人なの?」
「最適だろう?リアムも社長の息子になれば、好き勝手できるかなと思って」
ドヤ顔で言われたけれど、その独特の発想力は、さすが王様って思っていいのでしょうか?
「向こうの世界はアレックスが居なくて大丈夫なの?」
「たまに戻る。何かあれば領主からLINE入るし」
LINEかい?電波繋がるのね。
「デザートはご飯を食べてから」
「いやぁ。アイスがいい」
土曜日のお昼。どこから見てもイケメンパパに甘える子供の図。
アレックスの両端にシルフィンとジャックが座って、その向い側に私とリアムが座っての食事。フレンドの立ち位置は違うけど、なんだか懐かしくて胸が熱くなる。
「まずは……」
注文を終わらせてから、アレックスはテーブルの上で指を組んで私の目を見る。どんな状況でも品があり、力を持った偉大な王様。
「まずは……この世界。シングルファーザーの肩身が狭い」
ため息交じりでそう言ってから水を飲むアレックス。まずはそこなの?一気に肩の力が抜けてしまうよ。
「リアムから話を聞いてるのだろう?」アレックスに問われて私はうなずく。
「リナが消えた日から、リアムが暴れて大変だった」
そんな王様の言葉に両端でクスクスと笑うふたりの姿。
「俺は暴れてない」ぶすっと反論するけれど
「あれは凄かった」
「目が血走って怖くて近寄れなかった」
「不眠不休で捜すので、リアム様が倒れるかと思った」
突っ込まれて何も言えなくなるリアムだった。
「国を救った救世主に礼も言えず、異世界に戻してしまった。ありがとうリナ。民の代わりに私が代表して礼を言う」
あらためて静かに言われてしまい、私は恐縮して小さくなってしまう。
「みんなが心をひとつにしての勝利です。こちらこそ、いい経験でしたありがとう」
めったにできない経験です。もう二度とないだろう。
大人の会話が退屈になり、フレンドがテーブルの下を通って私の膝に移動する。ぷにぷにしたほっぺにほおずりしながら、私は愛しい彼女を抱きしめた。
「フレンドも頑張ったよね」そう褒めると「うん。頑張った」と、フレンドは笑顔を見せて答えてくれた。
本当に頑張ったよ。強かったね。
「あとはリアムに聞いた通りだ。リナと再会させるのに準備を重ねた。リアムはこちらの人間として転生させるから、私達も心配なのでしばらくこちらで様子を見ようと思った。なにしろ前例がないからね。リナの様子を見たいから騎士団達に見張らせて、私とシルフィンはリアムがこの世界で自然に馴染めるように彼を見守りたいので、しばらくこちらの世界で生活をしようと思い基盤を作ってみた」
「それが、バイク便と地下アイドルと支配人なの?」
「最適だろう?リアムも社長の息子になれば、好き勝手できるかなと思って」
ドヤ顔で言われたけれど、その独特の発想力は、さすが王様って思っていいのでしょうか?
「向こうの世界はアレックスが居なくて大丈夫なの?」
「たまに戻る。何かあれば領主からLINE入るし」
LINEかい?電波繋がるのね。