「久し振りに、アレックスと剣を交えた」
「子供も頃はずっと一緒に遊んでたのでしょう?アレックスも強いね」
「自分の方が強い」
「はいはい」
 子供みたいに張り合ってるし。適当に返事をするとギューっと強く抱かれて苦しくなった。
「アレックスに剣を向けられたリナを見た時、自分の気持ちを抑えられなかった。リナが自分にとってどんなに大切かわかった。誰にも渡したくない。たとえ王でも絶対渡さない」
「全部アレックスの企みだったけど」
「すっかり騙された」
 甘い甘いキスが私の唇を襲う。リアムに抱かれると、身体も心も溶けてしまう。
「アレックスの為に……リナの為に……必ず勝つ」
「私もアレックスに宣言した。絶対勝つ!って」
 私が言うと優しい顔になる。
 あぁ私だけが知ってるのかな、この優しい笑顔。そう思うと愛しさ倍増。
「素晴らしい王様だね」私がそう言うと、リアムは「うん」と満足そうに返事した。
 リアムとアレックスは強い絆で結ばれている。最強タッグ。物語の終わりはハッピーエンドに決まってる。絶対絶対決まってる。

 彼に抱かれながらそう思う私は……。