「結局のところ、校則違反もない生徒を呼び出した風紀委員長様の用件はなんだったわけ?」
「新人が迷惑をかけて済まない、だと」
「へぇ。後輩想いっつうか、新人想いのところがあるんだな」
風紀委員会室のある校舎西側の廊下を抜け、三学年生の教室と、音楽室や視聴覚室へと続く通路分岐点から二階へと下る階段に進んだ。何人かの上級生がそばを擦れ違い、その中には運動部のユニフォームに身を包んだ少年少女の姿もあった。
図書室などがある生徒の往復が多く騒がしい二階フロアを、雑談の話し声や、上履きが床で立てる足音を聞きながら歩いた。目指すは校舎東側にある部室だ。
理樹はそこで何気なく、隣をのんびりと歩く拓斗へ横目を向けた。
「――なぁ、お前は青崎レイを鬱陶しいとか思うか?」
尋ねてみると、不思議そうにこちら見つめ返してきた。
拓斗はしばし間を置いてから「お前の通常モードの無表情って、やっぱ読めないわ」と感想をこぼしたのち、「というか、また唐突な質問だな」と首を捻った。
「新人が迷惑をかけて済まない、だと」
「へぇ。後輩想いっつうか、新人想いのところがあるんだな」
風紀委員会室のある校舎西側の廊下を抜け、三学年生の教室と、音楽室や視聴覚室へと続く通路分岐点から二階へと下る階段に進んだ。何人かの上級生がそばを擦れ違い、その中には運動部のユニフォームに身を包んだ少年少女の姿もあった。
図書室などがある生徒の往復が多く騒がしい二階フロアを、雑談の話し声や、上履きが床で立てる足音を聞きながら歩いた。目指すは校舎東側にある部室だ。
理樹はそこで何気なく、隣をのんびりと歩く拓斗へ横目を向けた。
「――なぁ、お前は青崎レイを鬱陶しいとか思うか?」
尋ねてみると、不思議そうにこちら見つめ返してきた。
拓斗はしばし間を置いてから「お前の通常モードの無表情って、やっぱ読めないわ」と感想をこぼしたのち、「というか、また唐突な質問だな」と首を捻った。