レイが疑問を覚えたように言葉を切り、自分越しにそちらを確認するように頭を動かせた。理樹はその視線を遮るように、校舎の角に潜んで見物している拓斗の存在を隠すように一歩横に移動した。
おい、テメェは黙ってこっそり隠れてろ。
親友がどんな顔で笑いをこらえているのか想像出来て、理樹は更に苛っとした。
うっかり奴の存在が知られたとしたら、このよく吠える新人風紀委部員が、二人で話しをしようと言ったのにと説教じみた非難の声を上げるかもしれない。そうなったら本題に辿り着くまでに時間がかかり、話し合いが伸びてしまうだろう。
理樹は、拓斗に対して苛立ちを募らせた。その険悪を雰囲気から察したレイが、自分に対してのものだと勘違いした様子で対抗するように睨み付けてきたのを見て、ますます「あいつ教室に戻ってくれねぇかな」と頭を抱えたくなった。
もとより理樹は、自分があまり表情豊かではないと知っている。真顔でいると不機嫌だと勘違いされ、少し顔を顰めれば、怒っているか喧嘩を売っていると解釈されて、相手が委縮してしまうことも多々あった。
おい、テメェは黙ってこっそり隠れてろ。
親友がどんな顔で笑いをこらえているのか想像出来て、理樹は更に苛っとした。
うっかり奴の存在が知られたとしたら、このよく吠える新人風紀委部員が、二人で話しをしようと言ったのにと説教じみた非難の声を上げるかもしれない。そうなったら本題に辿り着くまでに時間がかかり、話し合いが伸びてしまうだろう。
理樹は、拓斗に対して苛立ちを募らせた。その険悪を雰囲気から察したレイが、自分に対してのものだと勘違いした様子で対抗するように睨み付けてきたのを見て、ますます「あいつ教室に戻ってくれねぇかな」と頭を抱えたくなった。
もとより理樹は、自分があまり表情豊かではないと知っている。真顔でいると不機嫌だと勘違いされ、少し顔を顰めれば、怒っているか喧嘩を売っていると解釈されて、相手が委縮してしまうことも多々あった。