渡り廊下を通り終えて、部室のある廊下右手へと進んだ。最初にある教室は将棋部で、既に四人の男子生徒が集まっている様子が窓から見えたが、それ以降は備品室などで部室としては使われておらず、寂しく静まり返っていた。
また新しく文系の部活動が出来ることがあれば、近くの部屋が使われるのだろう。部活動顧問教師の欄に、責任者として名前を書いてくれた担任の杉原が、去年までは天文部と漫画研究会があったのだと教えてくれた。生徒の卒業と共になくなってしまったのだという。
扉の上に『読書兼相談部』という手書きの文字が見えてきた時、職員室側の位置している階段から一人の女子生徒が現れた。
気付いた拓斗が、まるで驚かさないようにという配慮からか、ピタリと足を止めた。理樹も、相手が桜羽沙羅だと気付いてそっと歩みを止めていた。
沙羅は制服の上から、質素なベージュのエプロンを着ていた。髪は、後ろでゆるくリボンで留められている。調理部のちょっとしたおつかいでも買って出ていたのか、その足取りは楽しげで軽い。
また新しく文系の部活動が出来ることがあれば、近くの部屋が使われるのだろう。部活動顧問教師の欄に、責任者として名前を書いてくれた担任の杉原が、去年までは天文部と漫画研究会があったのだと教えてくれた。生徒の卒業と共になくなってしまったのだという。
扉の上に『読書兼相談部』という手書きの文字が見えてきた時、職員室側の位置している階段から一人の女子生徒が現れた。
気付いた拓斗が、まるで驚かさないようにという配慮からか、ピタリと足を止めた。理樹も、相手が桜羽沙羅だと気付いてそっと歩みを止めていた。
沙羅は制服の上から、質素なベージュのエプロンを着ていた。髪は、後ろでゆるくリボンで留められている。調理部のちょっとしたおつかいでも買って出ていたのか、その足取りは楽しげで軽い。