「一之瀬さんの絵にはストーリーがあるような気がします」
美香さんは私のできあがった作品を見て、そう呟いた。
「ストーリー?」
私が訊き返すと、美香さんは大きくうなずきながらこう続けた。
「私の絵は単なる模写ですが、一之瀬さんの絵にはここはこういう場所で、今こんなことが起きているといった説明みたいなものがバックにあるような気がするんです」
「ううん、そうかなあ……。私には美香さんの方がよっぽど素敵だと思うけど」
「いえいえ、そんなことないです。私も一之瀬さんみたいに描けたらいいんですけどね」
どうやらお世辞ではない口調で美香さんはそう言っているようだった。
『私、ちょっとは自信持っていいんだろうか……』
そんなことを思いつつも、それでも今日は久々に自分の絵を描けた気がして、私は嬉しかった。
美香さんは私のできあがった作品を見て、そう呟いた。
「ストーリー?」
私が訊き返すと、美香さんは大きくうなずきながらこう続けた。
「私の絵は単なる模写ですが、一之瀬さんの絵にはここはこういう場所で、今こんなことが起きているといった説明みたいなものがバックにあるような気がするんです」
「ううん、そうかなあ……。私には美香さんの方がよっぽど素敵だと思うけど」
「いえいえ、そんなことないです。私も一之瀬さんみたいに描けたらいいんですけどね」
どうやらお世辞ではない口調で美香さんはそう言っているようだった。
『私、ちょっとは自信持っていいんだろうか……』
そんなことを思いつつも、それでも今日は久々に自分の絵を描けた気がして、私は嬉しかった。


