「だぁっー!やっと片付いたーっ!」
俺は改めて新しい自分の部屋を見回す。最近親の都合で引っ越してきた家だ。
「さて、ちょっとその辺散策してきますか」
俺はそう言って玄関に向かう。ドアを開けようとしたところで、まだ引っ越したばかりのこの家のドアのポストに、何やら手紙が入っていることに気付いた。
「何これ…」
取り出してみると、それはほんのりと桜色に色づいた封筒だった。俺は差出人も受取人も確かめずに取りあえず開けてみた。
『拝啓 周様。お元気ですか?春風の心地よい季節となりましたが、いかがお過ごしですか?
…なんてね。敬語なんて似合わないけど、ちょっと背伸びしちゃった(笑)。
元気?周君。こっちはね、なんとかやってるよ。そろそろ周君がこっちから引っ越して二年も経つのかー、やっぱりちょっと寂しいや。全然手紙の返信も返ってこないしさ。今、桜が満開なんだけど、もう見られるのは今年で最後かな。ねえ、周君。最後に、一回だけ、会ってもらえないかな。
敬具 坂井瑞季』
……なんだこれ。
俺は改めて新しい自分の部屋を見回す。最近親の都合で引っ越してきた家だ。
「さて、ちょっとその辺散策してきますか」
俺はそう言って玄関に向かう。ドアを開けようとしたところで、まだ引っ越したばかりのこの家のドアのポストに、何やら手紙が入っていることに気付いた。
「何これ…」
取り出してみると、それはほんのりと桜色に色づいた封筒だった。俺は差出人も受取人も確かめずに取りあえず開けてみた。
『拝啓 周様。お元気ですか?春風の心地よい季節となりましたが、いかがお過ごしですか?
…なんてね。敬語なんて似合わないけど、ちょっと背伸びしちゃった(笑)。
元気?周君。こっちはね、なんとかやってるよ。そろそろ周君がこっちから引っ越して二年も経つのかー、やっぱりちょっと寂しいや。全然手紙の返信も返ってこないしさ。今、桜が満開なんだけど、もう見られるのは今年で最後かな。ねえ、周君。最後に、一回だけ、会ってもらえないかな。
敬具 坂井瑞季』
……なんだこれ。