「瑞季、久しぶり」
俺は瑞季の眠るお墓の前に腰を下ろす。あれから季節が巡るのは早く、気づけば高校を卒業し、大学へと進んでいた。
「…いや、それにしてもあの時の瑞季のメッセージには気づけなかったなぁ。言われるまで」
瑞季が亡くなってから届いた手紙。あれには瑞季の想いが綴られていた。
『拝啓 巡様。花の便りが開かれる頃となりました。いかがお過ごしですか?寝てますか?食べてますか?さて、そんなことはさておき。
私は、君のことが好きです。こんなこと言うと、頭お花畑みたいだけど、一目惚れ?的なやつでした。でも、顔は見えてなかったから、なんていうのかな。分かんないけど、君からの手紙を読んだ瞬間に惹き込まれた。巡くんのことをもっと知りたいって思った。それでね、巡くんは気づいたかな。私からのメッセージに。実は、毎回入れていた花の写真。あれには全部意味があるんだ。花言葉、調べてみて。少し意地悪な私はあえてここには書きません。
巡くんは、私を変えてくれた。厳しかったはずの闘病生活も、君との文通のおかげで苦じゃなくなった。ありがとう。
何度季節が巡っても、私は君のことが大好きです。
この手紙に最大限の感謝と愛を込めて。
敬具 坂井瑞季』


「まさか、あの花たちの花言葉が全部恋に関するものだったなんて、考えもしなかったね」
全部調べたところ、恋愛に関するものが全てだったことは、いまだに忘れられない。