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 朔と瀬那のもとに、結月を送り届けた琥珀が帰ってきた。
 主人のもとに身を寄せると、そのまま座って指示を待つ。

「瀬那、帰るぞ」

「はいっ!」

 朔と話したことで自信を取り戻した瀬那が、返事を返す。
 二人が乗りやすいように琥珀は伏せると、朔、瀬那と順に背中に乗る。
 琥珀は立ち上がり、軽々と地面を飛びあがって、そのまま宮廷へと戻っていった。


 やがて宮廷の回廊部分に、凛の姿が見えてきた。
 凛は全員の無事の帰還に、顔をほころばせた──