治療の準備を終え、妖魔の気配が消えたのを確認すると、そっと胸をなでおろした。

(全員無事のようですね……)

 凛が安心したように一息ついたのを見ると、実桜と蓮人も顔を見合わせて微笑み、頷いた。


 やがて、琥珀の姿を遠くに確認した凛。
 琥珀は凛のもとへ降り立つと、ゆっくりと結月を降ろした。

「ありがとう、琥珀」

 結月は琥珀をなでながら、運んでもらった礼を告げる。

「ありがとうございます、琥珀。結月さんのことは責任をもって傷の手当をいたしますので、朔様のところに戻ってよいですよ」

「く~ん」

 凛の言葉に安心したように、琥珀は再び主人のもとへと飛んでいった。