「朔様っ!」
琥珀(こはく)に乗った朔が、結月と瀬那を一瞥する。
白く長い毛をなびかせて、琥珀は主人が降りやすいようにと伏せる。
自身を軽く預ける程度で進行方向に対し、横向きに乗っていた朔。
そのままゆっくりと右足から地面に降り立つと、魔夜をじっと見つめる──
「お前が【俺】か」
朔が【自分自身】に化けた魔夜を鬱陶しそうに眺めると、そのまま太刀を抜いて駆けだした。
(攻撃しては、魔夜が強くなってしまう……!)
結月は心の中で思い、朔へ言葉を発しようとしたが、その瞬間に気づいた。
【朔への忠誠心】で強くなる魔夜だが、【朔自身】の攻撃はどうなのか。
朔自身が攻撃をすれば、その【忠誠心】も無効になるのではないだろうか。
琥珀(こはく)に乗った朔が、結月と瀬那を一瞥する。
白く長い毛をなびかせて、琥珀は主人が降りやすいようにと伏せる。
自身を軽く預ける程度で進行方向に対し、横向きに乗っていた朔。
そのままゆっくりと右足から地面に降り立つと、魔夜をじっと見つめる──
「お前が【俺】か」
朔が【自分自身】に化けた魔夜を鬱陶しそうに眺めると、そのまま太刀を抜いて駆けだした。
(攻撃しては、魔夜が強くなってしまう……!)
結月は心の中で思い、朔へ言葉を発しようとしたが、その瞬間に気づいた。
【朔への忠誠心】で強くなる魔夜だが、【朔自身】の攻撃はどうなのか。
朔自身が攻撃をすれば、その【忠誠心】も無効になるのではないだろうか。