「身体を修復した……?!」

 結月と瀬那は信じられないものを見て、驚きとさらに絶望を感じた。

「自己再生能力まであんのかよ!!!?」

 結月の脳内では魔夜を倒す術が思いつかなくなっていた。

(厄介だ……)

 結月は必死にその頭を回転させて、心臓がある場所を探ろうとする。
 と、同時に瀬那に声をかけた。

「瀬那さん、透視で心臓の位置を見抜けませんか?」

「うん、さっきからみてるけど、全く見えない。結界発動しながらだと半減するから確実とはいえないけど……」

「見えない?」

「見えない。何も、どこにも……」

(どういうこと……?)

 結月の脳内ではその情報を処理しきることができずにいた。
 瀬那もまた『心臓が見えない』という事実に困惑していた。