刃と刃ぶつかり、火花が飛び散る。
 結月はなんとか片手で受け止めていたが、もはやそれも限界に近づいていた。

 痛む身体に鞭を打ちながら、腰をひねって魔夜の攻撃を受け流すと、そのままの勢いで立ち上がって飛び退く。
 刀が結月のいた木に突き刺さると、わずかに魔夜の動きが止まった。
 
 その瞬間を結月は見逃さなかった。
 
 全神経を集中させて魔夜の背中を取ると、そのまま心臓めがけて双剣を突き刺した。
 
「やった……!」

 瀬那が勝ちを確信した。

「……」

 しかし、結月はそのわずかな違和感を読み取り、戦闘態勢を崩していなかった。

(心臓を貫いた感覚がない……)

 瀬那も徐々に結月の様子に気づいた。

「結月ちゃん……?」

 魔夜は心臓部分を貫かれながらも、何食わぬ顔で結月のほうを振り返る。
 刀を木から引き抜くと、そのまま結月に向かって振り下ろした。

 結月は急ぎ双剣を引き抜くと、顔の目の前で交差させて素早く受け身を取る。