「くっ!」

 巨大化したいたちの顔の皮は厚く、一回では致命傷にならなかった。
 すかさず瀬那が刀を振るい、いたちの足を払う。
 体制が崩れ、いたちが倒れたところに、蓮人が刀を上から一直線に突き刺す。

「ぐおおおーーーー!!!」

 いたちの咆哮が夜に響く。
 いたちは大きな腕を振るい、蓮人を振り払う。

「くそっ!」

 刺さった刀が振り落とされる。
 結月は身軽な身体を回転させていたちの攻撃を避けながら、腕を上ってもう一度いたちの顔を狙う。
 今度はいたちの目にあたり、いたちは勢いをそがれる。

「瀬那さん、蓮人さん! 今です!!」

「了解!」
「よし!」

 二人の声が揃うと、じたばたするいたちに最後のとどめを刺しに飛び掛かる。
 二人の刃はいたちの心臓部分を貫き、やがて灰となって消えていく。

「よし、完璧!」

「やりましたね、お疲れ様です」

 結月、瀬那、蓮人は互いに労う。