結月の自室方面へと向かう途中に朔が言った最後の言葉に違和感を感じた。

(”あいつも同じように”……?)

 その瞬間、凛の中で全てがつながった。
 あの夜以降、普段は遅めに起きて来る朔が早く起き、凛と同じ時間に執務室に入ったこと。
 明らかに職務は終わっているのに退室しない朔。

(私のことを気にかけていたのですね、朔)

 幼なじみの朔の気遣いに、感謝しながら結月の部屋のほうへと向かった──